Shiba Inu(SHIB)の中長期的な価格動向を占ううえで、Shibariumを通じた焼却の進展が支援材料として意識されている。ただ、約589兆枚に上る供給量が依然として大きな重荷で、価格の本格反発には資金流入の拡大が欠かせないとの見方が出ている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは12日(現地時間)、SHIBが2026年に0.000004〜0.000018ドルのレンジで推移する可能性があると伝えた。足元の価格は約0.0000066ドルで、2021年10月に付けた過去最高値の0.00008845ドルをなお大きく下回っている。
同メディアは、SHIBが代表的なミームコインの一つである一方、売買高の増加だけで価格回復を見込むのは難しいと分析した。意味のある上昇には、実際の資金流入と流通量の縮小が同時に進む必要があるとみている。
注目材料として挙げられたのが、Shiba Inuのレイヤー2ネットワーク「Shibarium」だ。Shibariumは2023年の立ち上げ以降、累計15億6000万件超の取引を処理しており、ネットワーク手数料の一部をSHIBに転換して焼却する仕組みを維持している。The Crypto Basicはこれを、安定的ではあるものの段階的なデフレメカニズムと位置付けた。
もっとも、ネットワーク利用の拡大がそのまま資金の積み上がりにつながっていない点は課題として残る。Shibariumの総預かり資産(TVL)は約17万9000ドルにとどまり、エコシステム内の分散型取引所(DEX)であるShibaSwapのTVLも約620万ドルだった。取引件数は積み上がっているものの、資金流入の規模はなお限定的だ。
需給面では前向きな動きもみられる。約3740億枚のSHIBが取引所外へ移され、取引所保有分は約82兆枚まで減少したとされる。市場では、長期保有志向の高まりを示す動きとの受け止めが出ている。ホルダー数も158万人に近づいており、日本ではRakuten WalletがSHIBの取り扱いを通じてアクセス拡大に寄与していると分析した。
The Crypto Basicは2026年のベースシナリオとして0.000008ドルを提示した。急騰ではなく、エコシステムの安定成長を前提とした水準だ。上限シナリオの0.000018ドルについては、Shibariumの利用拡大と市場流動性の改善が同時に進んだ場合に到達し得るとした。加えて、ビットコイン相場の安定やリスク資産選好の回復局面では、SHIBのような高ボラティリティのアルトコインが相対的に大きく上昇する可能性があると付け加えた。
中長期では、技術高度化と用途拡大が主な変数とされる。SHIBの想定レンジは、2027年が0.000005〜0.000028ドル、2028年が0.000006〜0.000035ドル、2030年が0.000008〜0.000052ドルと予測された。
とりわけ、プライバシー機能の強化やレイヤー3への拡張、メタバースやAIとの連携が長期需要の下支え要因として挙げられた。SHIBエコシステムのトークン「TREAT」を軸としたAI活用が、取引量の増加やトークン焼却の拡大につながる可能性にも言及している。
ただ、2040年まで視野を広げても、供給圧力は主要な制約要因として残る見通しだ。2040年の想定レンジは0.000010〜0.000095ドル。焼却が長期的に続けば総供給量が500兆枚を下回る可能性があるとの前提も示したが、高速な新興ネットワークやAI中心のブロックチェーンが台頭した場合、SHIBの相対的な立ち位置が弱まる可能性もあるとした。
一方、市場で一部取り沙汰される0.1ドルや1ドル到達のシナリオについては、現実味に乏しいとの見方を示した。現在の水準から0.1ドルに達するには約151万%超の上昇が必要で、時価総額は約58兆ドル規模になる計算だという。これは金の時価総額や米国の国内総生産(GDP)を上回る水準で、1ドルシナリオは必要上昇率が1500万%超となり、さらに非現実的だと説明した。
AIによる価格予測も幅があった。Google Geminiは2026年を0.0000052〜0.000027ドル、2030年を0.000015〜0.00075ドルと予測した。一方、xAIのGrokは2026年を0.000004〜0.000012ドル、2030年を0.000008〜0.00005ドルとし、より慎重な見方を示した。
総じてみれば、SHIBには中長期で反発余地があるものの、売買の活発化だけでは限界があるというのが今回の分析の要点だ。価格回復には、TVLの拡大を伴う資金流入と、実効性のある供給減少が不可欠とみられる。逆に、ミームコインへの選好後退や競争激化、マクロ環境の悪化が続けば、長期にわたり伸び悩む可能性もある。