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米証券大手のCharles Schwabは、米国の個人顧客を対象にBitcoinとEthereumの現物取引サービスを開始した。新プラットフォーム「Schwab Crypto」を通じて提供する。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが13日(現地時間)に報じたところによると、同サービスでは、一定の要件を満たした投資家が、時価総額上位の暗号資産であるBitcoinとEthereumを直接売買できる。

利用にあたっては、既存の証券口座とは別に暗号資産口座を開設し、これを既存のブローカレッジ口座にひも付ける仕組みを採る。Charles Schwabは3900万超の顧客口座を抱えており、株式や債券に続く新たな現物投資手段として暗号資産を加える格好だ。

デジタル資産のカストディはSchwab Premier Bankが担い、取引執行は米通貨監督庁(OCC)の監督下にあるブロックチェーンインフラ企業Paxosが支援する。手数料は取引額の75bp(0.75%)。サービス開始時点の提供地域は、ニューヨーク州とルイジアナ州を除く全米としている。

サービス設計には顧客調査の結果を反映した。Charles Schwabは2025年7〜9月に、現在または将来の暗号資産投資家約500人を対象に調査を実施。取引プラットフォーム選びで重視する要素として、ブランドへの信頼、低く透明性の高い価格設定、資産の安全性が挙がったとしており、現物取引サービスもこの3点を軸に構築したとしている。

今回のサービス開始は、同社の暗号資産戦略の転換を示す動きともいえる。これまでの暗号資産関連商品は、BitcoinとEthereumの現物ETFやそれらのオプション、暗号資産先物、関連ミューチュアルファンドなど、間接的な投資手段が中心だった。同社は、自社顧客が市場の暗号資産ETPの約20%を保有していることも明らかにしている。

今後は、間接投資商品の提供にとどまらず、現物の直接保有を支援する方向へと領域を広げる。デジタル資産部門責任者のジョー・ビエトリ氏は、デジタル資産をポートフォリオに組み入れようとする個人投資家にとって「信頼できる選択肢」になることを目指すと述べた。対応する暗号資産は今後拡充する方針で、長期的には、すでに保有しているデジタル資産の入出金への対応も視野に入れる。

市場環境も同社の動きを後押ししている。伝統的な金融機関による暗号資産事業の拡大が続くなか、米大手金融機関の多くはすでにBitcoin関連サービスを提供しているか、導入準備を進めているとされる。足元ではMorgan StanleyがE*TRADEのプラットフォームで暗号資産取引を開始し、Goldman SachsはBitcoinプレミアムインカムETFを申請した。

規制面の動向も焦点だ。米議会では、暗号資産の規制枠組みを定めるCLARITY法案の最終合意に向けた調整が進んでいる。法整備が進めば、Charles Schwabのような伝統的金融機関の参入が加速し、競争環境が変わる可能性がある。現物取引の対象拡大や追加資産への対応時期は、米個人向け暗号資産市場における次の競争軸になりそうだ。

同社はXでも、Schwab Crypto口座の個人顧客向け展開を始めたと案内し、初期対象となる顧客は同日からBitcoinとEthereumを他の投資商品と並行して取引できると告知した。

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