イーロン・マスク氏(写真=Shutterstock)

Baron Capital会長のロン・バロン氏は13日、米CNBCの番組「Squawk Box」に出演し、SpaceXが新規株式公開(IPO)に踏み切った場合、10億ドル(約1500億円)規模の買い注文を出す意向を明らかにした。Starlinkの拡大と軌道上データセンター事業を成長の柱と位置付け、SpaceXが「世界最大の企業」になり得るとの見方を示した。

バロン氏は、IPOの公開価格ベースで「10億ドル規模の注文を出すつもりだ。可能であれば、さらに多く買いたい」と述べた。そのうえで、「実際に配分を受けられるかは分からないが、試みる」と語った。実現すれば、Baron Capitalにとって最大の単一投資先であるSpaceXへの持ち分を一段と積み増すことになる。

Baron Capitalは2017年以降、SpaceXに約17億ドル(約2550億円)を投じてきた。現在の保有価値は約150億ドル(約2兆2500億円)に達し、運用資産約560億ドル(約8兆4000億円)の4分の1超を占めるという。

バロン氏は、SpaceXの成長ドライバーとして、衛星通信サービス「Starlink」の世界展開と軌道上データセンター事業を挙げた。「Starlinkは地球規模のインターネットになる」としたうえで、宇宙空間では電力や冷却を実質的に低コストで確保でき、地上データセンターが抱える電力や水冷コストの制約から解放されると説明した。

これらの事業はいずれも、SpaceXの次世代打ち上げ機「Starship」が前提になる。Starshipは再使用型ロケットとして設計されており、低軌道に100トン超の貨物を運べる仕様だという。

バロン氏は、今後10〜15年でSpaceXの企業価値が10兆〜30兆ドルに達する可能性があると予測した。保守的に見積もった場合でも、なお巨額の企業価値になり得るとの見方を示した。

SpaceXは4月1日、米証券取引委員会(SEC)に機密扱いでS-1登録申請書を提出した。Goldman Sachs、JPMorgan、Morgan Stanley、Citi、Bank of America Merrill Lynchなど主な引受証券会社は、IPO時の評価額を17兆5000億〜20兆ドルと見込んでいる。SpaceXはNASDAQ上場を目指しており、ロードショーは6月上旬に始まる見通しだ。

想定どおりの上場規模となれば、調達額は750億ドル(約11兆2500億円)に達する可能性がある。実現すれば、2019年のSaudi Aramcoによる294億ドル(約4兆4100億円)を大きく上回り、過去最大のIPOとなる。

イーロン・マスクCEOは、公開株の30%を個人投資家に割り当てる案を検討してきた。750億ドルを調達した場合、個人投資家向けの購入枠は約225億ドル(約3兆3750億円)となる計算だ。

業績面では、Starlink事業部の2025年売上高は91億ドル(約1兆3650億円)で、EBITDAマージンは63%に達した。加入者数は2026年初めに1000万人を超えた。SpaceX全体の2025年売上高は約150億〜160億ドル(約2兆2500億〜2兆4000億円)、EBITDAは約80億ドル(約1兆2000億円)と推定されている。

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