米国で暗号資産関連法案「Clarity法」を巡る審議が山場を迎えている。ホワイトハウスが7月4日の独立記念日までの成立を目標に掲げる中、上院ではステーブルコインの利息付与や利益相反防止条項が主要論点として浮上した。市場ではRippleの新規株式公開(IPO)観測も強まり、XRPを中心に思惑が広がっている。
暗号資産市場では、ビットコインが外部要因に神経質な値動きを見せる一方、イーサリアムやアルトコインは反発期待を残しつつも様子見姿勢が続いている。
ホワイトハウスはClarity法の成立目標時期として、7月4日を明示した。これに先立ち、米上院銀行委員会は14日に予定するマークアップを前に修正案を公表。ステーブルコインの保有残高に対する利息支払いを認めるかどうかに加え、利益相反を防ぐための条項が審議の焦点となっている。
業界では、今回の審議が年内立法の行方を左右する重要局面になるとの見方が強い。法案の柱は、デジタル資産の証券・商品区分の明確化と、ステーブルコイン発行体に対する規制枠組みの整備だ。
一方で、法案成立が遅れた場合には、米政府が暗号資産業界への規制強化に傾く可能性があるとの懸念もくすぶる。こうした先行き不透明感が、市場心理の重荷となっている。
国内市場では、デジタル資産基本法の立法が遅れる中、銀行や証券会社などがステーブルコイン市場の先行獲得を狙って競争を早めているとの見方も出ている。あわせて、暗号資産市場では低位銘柄の淘汰も進みつつある。
取引がほとんどなく、開発も止まった低位コインの一部では、取引所での上場廃止を通じて市場からの退出が進んでいる。こうした動きが、ビットコインなど主要資産の相場環境の改善につながるとの見方もある。
今週のビットコイン市場では、世界保健機関(WHO)のハンタウイルス警報が不意の材料として意識された。2020年の新型コロナウイルス感染症拡大局面で暗号資産市場が急落した記憶もあり、一部投資家の間ではリスク回避姿勢が強まった。
パンデミック再燃への警戒感が短期的な売りを誘い、ビットコイン相場の下押し要因になったとの見方が出ている。その一方で、機関投資家マネーの流入が相場の下値を支えており、急落余地は限られるとの声もある。
市場では、12年間ビットコインを保有していた大口投資家の動きも注目を集めた。保有資産は6億韓国ウォンから600億韓国ウォン規模に膨らんだとされ、長期保有の象徴的な事例として受け止められている。
Rippleを巡っては、IPO観測の強まりがXRPエコシステム全体への関心を押し上げている。ブラッド・ガーリングハウスCEOは、IPOに前向きな姿勢を改めて示すとともに、XRP投資家に対する特別報酬の支給を検討していると明らかにし、コミュニティの期待を高めた。
同社は2023年以降のM&Aに30億ドルを投じており、XRPエコシステム強化の一環だと説明している。ガーリングハウスCEOが、XRPは機関投資家の担保資産として活用され始めたと述べたことも、市場の関心を集めた。
もっとも、XRPの先行きに対する見方は割れている。元最高技術責任者(CTO)のジェド・マッケイレブ氏は、XRPが20ドルを突破するとの期待について、ビットコインが初期に100ドルを超えた局面とは時価総額の構造が異なるとして、慎重な見方を示した。
また、Upbitで630万XRPの大口出金が確認され、正体不明のクジラ資金の行方にも注目が集まった。2026~2030年の価格見通しについても、28ドルまで上昇するとの強気見通しと、1ドル維持も難しいとする弱気見通しが併存している。
アルトコイン市場全体では、ビットコイン主導の上昇が広がるかどうかが次の焦点となっている。長期パターンの分析から、アルトコイン相場入りのシグナルが出ているとの見方もあり、資金循環がアルトコインに波及する可能性が意識されている。
機関投資家の資金移動が2026年の暗号資産市場の構図を変えつつあるとの分析も浮上している。機関投資家が選好する銘柄は個人投資家の関心先とは異なるとの指摘もあり、市場参加者の間ではポートフォリオの見直し機運が強まっている。