MetaはThreadsで、返信欄からAIを呼び出して投稿の話題や背景を尋ねられる新機能のテストを始めた。専用アカウント「@meta.ai」にメンションすると、AIが公開返信として回答する仕組みだ。
米ITメディアEngadgetが12日(現地時間)に報じたところによると、MetaはThreads向けに同機能の初期ベータ版の提供を開始した。
使い方は、X(旧Twitter)のGrokのように返信欄で「@meta.ai」を呼び出す方式。ユーザーはアプリ内でMeta AIと対話できるほか、他人の投稿への返信中にAIへ質問することもできる。
ベータ版の提供先は、マレーシア、サウジアラビア、メキシコ、アルゼンチン、シンガポールの5カ国に限られる。
Metaは利用例として、「なぜ人々は今月ワールドカップの話をしているのか」といった質問を紹介した。Meta AIはこうした問いに対し、返信欄で公開回答できるという。
この機能は、新しいAIモデル「Muse Spark」を軸とするMetaの展開の一環とみられる。Metaは最近刷新したMeta AIが、同モデルをベースに動作していることを明らかにしている。
Metaはあわせて、WhatsAppなどのグループ会話でMeta AIに文脈を尋ねられる新たな会話方式「side chats」もテストしている。Threadsとは異なり、こちらは別のMeta AIチャットルームで利用する仕組みで、質問内容は質問者以外には公開されない。
Muse Sparkは、Meta AIアプリ内の「Live AI」にも展開される。従来はMetaのスマートグラスでのみ利用でき、周囲の様子を映しながら質問すると、AIがリアルタイムで応答する仕組みだった。
一方、この機能を巡っては、録画データを人手で確認できたとの指摘も出ている。カメラを使うAIの活用範囲が広がるなか、個人情報保護を巡る懸念も改めて注目を集めている。
「@meta.ai」は、AIチャットボットを単独サービスとして提供するのではなく、SNS上の公開会話に組み込む試みといえる。利用者は別途検索したり、別ウィンドウを開いたりすることなく、返信欄でそのままAIの説明を確認できる。
Metaはこのモデルを、同社のAI戦略の新たな基盤を築く最初の具体例として位置付けている。マーク・ザッカーバーグCEOも、これを基にOpenClawのようなAIエージェント構想を示唆している。
Threadsで始まった公開返信型AIのテストは、Metaが自社のアプリやデバイス全体でAIを前面に押し出す流れを示す初期事例の一つといえそうだ。