写真=BVNKのX

米決済企業Corpayは、BVNKと提携し、グローバル顧客向けにステーブルコインのウォレット機能を自社プラットフォームへ追加する。企業顧客が銀行営業時間に左右されず資金を移動できる体制を整え、24時間対応の決済機能を強化する狙いだ。

フィンテックメディアのPYMNTSが12日(現地時間)に報じた。これによりCorpayの顧客は、法定通貨に加えてステーブルコインの残高も同一画面上で確認できるようになる。プラットフォーム内では、ステーブルコインの送金、受取、保管、換金にも対応する。

今回の提携は、企業顧客の資金移動を銀行の営業時間や既存の決済システムの制約から切り離すことが目的だ。Corpayは常時稼働するステーブルコイン決済基盤を活用し、クロスボーダー取引と国内取引の双方で決済手段の選択肢を広げる。顧客は用途に応じて、従来の法定通貨決済とステーブルコイン決済を使い分けられる。

Corpayは顧客向けサービスだけでなく、自社の財務運営にもステーブルコイン決済基盤を活用する計画だ。事前に資金を積み置くプリファンディング口座への依存を抑え、資本効率を高めるとともに、自社ネットワーク外を含むグローバルな資金移動の改善につなげる考えだ。

マーク・フレイ氏(Corpayクロスボーダー・ソリューション部門社長)は、企業規模では流動性を迅速かつ安定的に移動させる能力が重要だとした上で、ステーブルコインは24時間365日の決済を可能にし、既存インフラを補完すると述べた。また、BVNKが安全性と大規模運用に必要な技術、コンプライアンス体制を提供すると説明した。

ジェシー・ヘムソン=ストラザーズ氏(BVNK最高経営責任者)は、ステーブルコインがグローバル決済の基盤を変えつつあると指摘した。その上で、Corpayの事業規模と展開力は、こうした機能を主流の決済環境へ広げるのに適しているとし、両社で企業のクロスボーダー資金移動と資金管理の効率化を支援していく考えを示した。

Corpayは世界で80万社超の顧客企業を抱える。毎月、145以上の通貨で120億ドル超(約1兆8000億円)の企業決済と、260億ドル(約3兆9000億円)の外国為替取引を処理しているという。

今回の対応は、既存の企業向け決済ネットワークに新たな決済手段を加える動きといえる。顧客側では決済手段の選択肢が広がり、Corpay側では大規模な企業決済インフラにデジタル資産ベースの決済機能を組み込む形となる。

特徴は、ステーブルコインを独立したサービスとしてではなく、既存の企業向け金融プラットフォームに組み込んだ点にある。法定通貨とステーブルコインの残高をあわせて表示し、送金、保管、換金までを一体で提供することで、企業の資金管理の枠組みにステーブルコインを直接取り込む構成となる。今後、対象顧客層や利用領域をどこまで広げるかが注目される。

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