Bitcoinは最高値から調整局面が続いているが、現物ETFへの資金流入や企業による買い増しが相場を下支えし、過去の弱気相場に比べ下落率は限定的との見方が出ている。Cointelegraphが12日(現地時間)、市場関係者の分析を基に報じた。
Bitcoinは現在、2025年10月に付けた史上最高値12万6000ドルから36%下落している。Bitcoin Bond Companyの最高経営責任者(CEO)、ピエール・ロシャール氏は、今回の調整は過去の弱気相場とは様相が異なると指摘した。
過去の下落局面では、2013〜2015年のサイクルで約85%、2017〜2018年および2021〜2022年のサイクルで約77%下落した。これに対し今回は、12万6000ドル近辺の高値から6万ドル前後まで下げた場面でも、下落率は約52%にとどまったという。
ロシャール氏は、その背景として過去2年間でBitcoin現物ETFが新たな需要源として定着した点を挙げた。現物ETFには上場後の累計で590億ドルの純流入があり、3月以降も45億ドルが流入した。こうしたETF経由の買い需要は、2018年や2022年の弱気相場には見られなかった構造だとした。
企業によるBitcoinの買い増しも、相場を支える要因として挙げられている。Strategyは2025年10月時点の保有量64万031BTCから、足元では81万8869BTCまで積み増した。追加購入は約17万9000BTCで、平均取得単価は約7万5543ドルとしている。企業が財務戦略の一環として買いを継続し、市場の売り圧力を吸収しているとの見方だ。
市場参加者の間でも、現在の局面は2022年当時とは異なるとの認識が広がっている。MN Capitalの創業者ミハエル・ファン・デ・ポッペ氏は、現在の市場環境はもはや2022年のサイクルに似ていないと述べた。Nasdaqが2万9372で高値を更新したことに加え、CLARITY法案の採決、戦略的Bitcoin準備金を巡る議論、米連邦準備制度理事会(Fed)の新議長指名などを、今回のサイクルを特徴づける要因として挙げた。
オンチェーン指標にも変化が出ている。アナリストのモレノDV氏は、CryptoQuantのブル・ベア市場サイクル指標で、Bitcoinが2023年3月以来初めて「初期強気相場」のシグナルを示したと明らかにした。この指標は価格モメンタムと移動平均を基に、市場が強気局面へ移行しているかを測るものだ。ただ、同氏はシグナルの確認には、より強い価格推移が必要だと付け加えた。
個人投資家の参加にも一部で持ち直しの動きが見られる。Bitcoin研究者のアクセル・アドラー・ジュニア氏によると、0〜1万ドル規模のウォレットにおける30日ベースの取引量変化率は、4月5日にマイナス8.2%まで低下した後、同月後半にプラスへ転じた。5月6日には6.31%まで上昇し、Bitcoinが8万625ドルで取引された12日時点でも4.38%を維持したという。
少額投資家の送金規模も、4月中旬に3億3600万ドルから3億5100万ドルへ小幅に増加した。一方で、アドラー・ジュニア氏は、こうした動きはなお2月の水準には届いていないと指摘する。2月の取引規模は3億6500万〜3億7500万ドルだった。
市場では足元の下落率そのものよりも、売り圧力を誰が吸収しているかに関心が集まっている。ETFへの資金流入と企業の買い増しが続くか、個人投資家の参加回復が広がるかが、今後の相場方向を左右する焦点となりそうだ。
ロシャール氏は「第4のBitcoin弱気相場は、現時点で過去のサイクルから実質的に乖離している。この強さは、序盤の強気局面が抑制されたことに加え、ETF流入と、Bitcoinを財務戦略に組み込む企業の蓄積が重なった結果である可能性が高い」との見方を示した。