スポーツベッティングETF「BETZ」が、ビットコイン(BTC)相場を読むうえでの補助指標として市場関係者の関心を集めている。CoinDeskが12日(現地時間)に報じたところによると、BETZはビットコインと高い相関を示し、一部の局面では高値や安値を先行して付ける傾向も確認された。
BETZは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場するRoundhill Sports Betting & iGaming ETF。CoinDeskによれば、2020年以降の値動きをみると、ビットコインと似たサイクルをたどってきたという。
市場ではこれまで、BlackRockの現物ビットコインETF「IBIT」がビットコイン価格に与える影響が広く意識されてきた。これに対し今回は、規模の小さいETFでも相場の先行きを探るうえで補助的なシグナルになり得ることが浮き彫りになった。
BETZは2020年6月に設定された。累計純流入額は約9800万ドル、運用資産残高は12日時点で約5000万ドルと、IBITと比べると規模は小さい。
それでも、ビットコインとの連動性は高い。TradingViewのデータでは、90日相関係数が0.73、365日相関係数が0.91となり、両資産の値動きに強い相関がみられた。
なかでも注目されるのは、BETZがビットコインより数週間早く主要な高値や安値を付ける傾向だ。2021年にはBETZが9月に先に高値を付け、ビットコインは2カ月後の11月にピークを記録した。
2022年も同様に、BETZが9月に安値を付けた後、ビットコインは約3カ月後に底を付けるなど、似たパターンが繰り返された。
もっとも、こうした相関がそのまま因果関係を意味するわけではない。CoinDeskも、BETZ単独でビットコインの方向感を予測するのは難しいと指摘している。
一方で今回の事例は、ビットコインが伝統的な安全資産というより、マクロ環境に敏感なリスク資産に近い値動きをしているとの見方を補強する材料ともいえる。
このためBETZについては、予測ツールというよりも、投資家心理や市場の流動性を映す補助指標として捉えるべきだとの分析も出ている。
足元の値動きでも新たな注目点が浮上している。BETZはここ数日、上昇基調にあるビットコインと一時的にデカップリング(連動性の低下)する場面があった。
CoinDeskはこれについて、「初期的なシグナルである可能性がある」としつつ、過去に確認された相関が今後も常に維持される保証はないと付け加えた。
市場参加者にとっては、ビットコイン現物ETFの資金フローに加え、リスク選好を反映する周辺資産の動きにも目を配る必要がありそうだ。BETZが今回もビットコインに先行して方向転換を示すのか、それとも一時的なノイズにとどまるのかが、短期的な焦点となっている。