NCsoftは5月13日、1QのPC売上が過去最高となり、業績が持ち直したと明らかにした。今後は既存IPの拡大、新規IPのグローバル展開、モバイルカジュアル事業の強化を3本柱に、四半期ベースでの継続成長を目指す。
共同代表のパク・ビョンムは同日の決算説明会で、1Qの改善は一時的なものではないと強調した。その上で、今後は売上高と営業利益の双方で前四半期比、前年同期比の成長を積み上げていけるとの見方を示し、安定成長を見通せる事業モデルの構築を進めていると述べた。
◆「Lineage Classic」が業績回復をけん引、新サーバー投入後に日次売上更新
業績回復を支えた中心タイトルは「Lineage Classic」だ。2月11日の投入後、90日間の累計売上は1924億ウォンとなり、会社計画を大きく上回った。
パク共同代表によると、4月22日に新サーバー「Valakas」を開設して以降、日次売上は過去最高を更新した。サービス開始から3カ月が経過した現在も、MAU(月間アクティブユーザー)やPCバンでのシェアは堅調に推移しており、長期運営が可能なタイトルになるとの見通しを示した。
想定していた中高年層に加え、20~30代のユーザー流入が大きく伸び、ユーザーベースが広がった点も強調した。
一方、「PC Lineage Remastered」とのカニバリゼーションについては、リマスター版の売上が前年同期比で約30%減少したものの、影響は想定より限定的だったと説明した。Lineage IP全体でみれば、ユーザーベースと売上はむしろ拡大したという。
「Aion2」については、足元でトラフィックにやや減少がみられるものの、想定の範囲内だとした。6月のサービス開始6カ月記念イベントと「シーズン4」ローンチを通じ、休眠ユーザーの呼び戻しを図る方針だ。パク共同代表は、本格的なマーケティングを始めていない段階でも、「Throne and Liberty」と比べて主要指標は大きく上回っていると語った。
既存IPの地域展開も進める。5月27日に「Lineage W」を東南アジアで投入するのを皮切りに、「Lineage M」「Lineage2M」の中国展開、「Chengqi Games」が開発中の「Aion Mobile」の中国投入を予定している。
◆「Aion2」を3Qにグローバル投入、6月から販促本格化
第2の成長軸は、新規IPのグローバル展開だ。NCsoftは3Qに「Aion2」を北米、南米、欧州、日本で投入する計画だ。
グローバルパブリッシング責任者には、Amazon Games出身のマービン・リー・クワイを起用した。6月上旬の「Summer Game Fest」を起点に、マーケティングを本格化させる。
最高財務責任者(CFO)のホン・ウォンジュンは、韓国と台湾でMMOのヒットを生み出した経験を土台に、欧米市場のパブリッシングに特化した専門組織を通じて大規模なユーザー獲得と高いリテンションを狙うと説明した。単発のヒットではなく、グローバル市場でのフラッグシップMMOに育てる方針だという。
このほか、新規IP3タイトルもグローバルテスト段階に入った。オープンワールドシューター「Cinder City」、シューター「Time Takers」、サブカルチャータイトル「Limit Zero Breakers」を、社内外の検証を経て下期に順次投入する計画だ。
ホンCFOは、PVP、シューター、サブカルチャー、MMOFPSといった各ジャンルで、新たなユーザーベースと新市場の開拓を本格化させる年になると位置付けた。
2027年以降のパイプラインとしては、SonyのIPを基にしたMMO「Horizon Steel Frontiers」、自社開発シューター「Bonfire」、サブカルチャー新作「Project AT」、MMO「Project R」などを開発中としている。
パク共同代表は「Horizon Steel Frontiers」について、Sony側の期待が大きく、発売日程やマーケティングのロードマップを協議していると明らかにした。
◆JustPlayを2Qから連結、モバイルカジュアル事業を拡大
第3の成長軸であるモバイルカジュアル事業では、2QからドイツのJustPlayを連結対象に加え、事業規模の拡大を図る。ホンCFOは、JustPlayの1Q売上が前年同期比76%増だったとした上で、2Qからの連結寄与によりモバイルカジュアル売上の大幅な拡大が見込めると述べた。
JustPlayの競争力として挙げたのは、ファーストパーティデータの蓄積とiOS対応力だ。パク共同代表は、リワードアプリの特性上、自社でファーストパーティデータを保有しているため、UA(ユーザー獲得)マーケティングの効率を競合より高い水準で維持できると説明した。
競合各社がAndroid中心で展開する中、JustPlayは長年にわたり構築してきた不正対策システムを生かし、iOSでも安定運営が可能だという。パク共同代表は、2025年4QからiOS対応が本格化して成長が加速するとし、外部シナジーを見込まなくても前年比で少なくとも70%以上の成長が可能との見方を示した。
NCsoftは、モバイルカジュアル事業を単なるゲーム開発ではなく、プラットフォームエコシステムの構築として位置付ける。アドテク、UA、データ分析を有機的に結び付け、スタジオとプラットフォームの相乗効果を最大化する考えだ。
パク共同代表は、AIの進展によって小規模開発者によるゲーム供給が増えるほど、プラットフォームエコシステムを備えるNCsoftにとって有利になると強調した。
◆2026年売上高ガイダンス上限の達成に自信、2027年は投入タイトル10本超へ
パク共同代表は、2026年の売上高ガイダンスである2兆5000億ウォンについて、上限達成の可能性はかなり高く、社内目標はさらに上の水準にあると述べた。営業利益は成果給の支給時期によって四半期ごとの変動があり得るとしつつも、利益水準そのものは四半期ごとに段階的に切り上がるとの見通しを示した。
これまでのNCsoftは、特定タイトルの成否によって業績が大きく左右されるコンテンツ企業だったが、今後は売上と利益が持続的に伸び、その成長を見通せる企業へ転換していくと訴えた。
来年以降の成長見通しについては、スピンオフ作品と新規IPを合わせ、来年までに10本超が発売準備に入っていると説明した。これらが加われば、2027年は2026年を大きく上回る成長が可能になるとみている。中長期目標としては、2030年に売上高5兆ウォンを掲げた。