ビットコイン(写真=Shutterstock)

オンチェーン活動や収益性、現物・先物市場の指標がそろって改善し、ビットコイン市場に持ち直しの動きが広がっている。オンチェーン分析企業のGlassnodeは週次レポートで、市場構造の回復が進んでいるとの見方を示した。一方で、新規資金の流入は鈍く、過熱局面とみなすにはなお材料が足りないと指摘している。

Glassnodeによると、足元では日次アクティブアドレス数、エンティティ調整ベースの送金量、総手数料収入がいずれも増加した。ネットワーク利用の回復を示す動きで、投資家の収益状況も含み損優勢から含み益優勢へと改善したという。

現物市場でも地合いの改善が確認された。累積出来高デルタ(CVD)の急伸と売買高の増加が同時にみられ、投資家参加の広がりと強気のセンチメントを示した。ビットコインは先週、7万7000ドル台後半から一時8万2000ドル台前半まで上昇し、下値では買い需要も確認された。

投資家の損益状況を巡っては、前向きな材料と警戒材料が併存している。Glassnodeは、含み益にある供給比率について、過去に大規模な利益確定が起きた水準にはまだ達していないと分析した。損失局面は脱したものの、市場全体が過熱している段階ではないとの見方だ。

先物市場では、リスク選好の強まりを示す兆候も出ている。建玉(オープン・インタレスト)は増加し、無期限先物のCVDも大きく上昇した。一方で、ロングポジションの資金調達コスト(ファンディングレート)は低下した。Glassnodeは、一部でショート志向の兆候もみられるとしている。

オプション市場では、下落に備えるヘッジ需要は後退した一方、ボラティリティスプレッドは拡大した。下方リスクへの警戒はやや和らいだものの、市場の不確実性そのものに対する警戒感はなお強いことを示している。

もっとも、上昇基調がそのまま加速するとみるのは難しい。Glassnodeは、価格モメンタムに鈍化の兆しがあるとし、買い優勢の相場から、買いと売りの圧力が拮抗する安定局面へ移行する可能性に言及した。

資金フロー面でも同様の傾向が出ている。Glassnodeは総括で、資本流入の鈍化と投資家心理の慎重さを挙げ、市場構造は改善しているものの、新規資金が力強く流入している局面ではないと評価した。市場は引き続き、リスク選好の変化に敏感な状態にあるとしている。

足元のビットコイン市場は、価格、オンチェーン指標、デリバティブ指標が同時に持ち直す回復局面にある。ただ、資金流入の勢いや投資家心理を踏まえると、強いトレンド相場入りを断定するにはなお早い。今後は、現物市場での買いが続くかに加え、先物市場のポジション動向や、含み益の拡大が実際の利益確定につながるかが焦点となる。

キーワード

#ビットコイン #暗号資産 #オンチェーン指標 #Glassnode #先物市場 #オプション市場 #累積出来高デルタ(CVD)
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.