ビットコインの強気・弱気市場サイクル指標が約26カ月ぶりに弱気圏を脱した。足元では8万ドル台を回復しているが、取引所準備金の増加といった警戒材料も残る。相場の次の焦点は、13日に公表される米消費者物価指数(CPI)だ。
ブロックチェーン専門メディアのBeInCryptoが12日(現地時間)、こうした見方を伝えた。今回のシグナルは2023年3月以来初めての「初期強気」サインで、過去には大幅な調整後の戻り局面で点灯したケースがあったという。
CryptoQuantの同指標も今週、弱気圏を離脱した。2019年と2023年初めにも同様のシグナルが確認されており、30日移動平均も基調モメンタムの改善を示している。
ビットコインは記事執筆時点で8万655ドルで推移し、24時間では約0.6%下落したものの、直近30日では約13%上昇した。あわせて、「トゥルー・マーケット・ミーン」と短期保有者の取得単価が重なる7万8000ドル前後の水準も回復した。この価格帯は、これまでも弱気相場と強気相場を分ける節目として機能してきた。
オンチェーン分析者のCheckonchainは、この水準を上回って推移する局面では、市場構造と投資家心理が同時に改善するケースが多いと指摘した。ただ、今回のシグナルだけで新たな強気相場入りを断定するのは早いとの見方もある。
実際、2022年3月にも同指標はいったん強気に転じたが、ビットコインは上値の重さに阻まれ、その後も下落基調が続いた。CryptoQuantのアナリスト、モレノは、複数の指標がすでに疲労の兆候を示していると分析。現在の相場は、典型的な初期サイクルの確認局面ほど明確ではないとした。価格が力強い上昇を続けられなければ、新たな強気相場の始まりというより、一時的な高値にとどまる可能性がやや高いとみている。
警戒材料として意識されているのが取引所準備金の動向だ。Alphractalのジョアン・ウェドソンは、取引所準備金の30日変化率がマイナスからプラスに転じたと指摘した。ビットコインが取引所の外へ流出する流れよりも、取引所内へ流入する動きが強まっていることを示すという。
次の焦点は、2026年4月分のCPIだ。米労働統計局は13日午前、ウォール街の取引開始前にCPIを公表する。市場予想は前月比0.7%、前年同月比3.7%で、3月の前年同月比3.3%を上回る見通しだ。
インフレ率が市場予想を上回れば、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が後退し、リスク資産全般の重荷となる可能性がある。逆に下振れすれば、今回の強気転換シグナルと5月の戻り基調を後押しする余地がある。市場では、ビットコインが8万2000ドルと「トゥルー・マーケット・ミーン」を上回った状態を維持できるか注目が集まっている。