Wemadeは12日、2026年1〜3月期の連結決算を発表した。売上高は1533億ウォン、営業利益は85億ウォン、当期純利益は199億ウォンだった。Kingnetとの「ミルの伝説2」を巡る和解に伴うライセンス収益の計上が寄与し、2025年7〜9月期から3四半期連続で営業黒字を確保した。
売上高の内訳は、ゲームが1152億ウォン、ライセンスが305億ウォン、ブロックチェーンが75億ウォン。ライセンス収益は、中国のKingnetとの「ミルの伝説2」IPを巡るロイヤルティ紛争が和解に至り、未払いだった収益配分が反映されたことが押し上げ要因となった。
イ・チャンヒWemade戦略企画室長はコンファレンスコールで、「長年続いてきた法的な不確実性を戦略的に解消し、それを財務成果につなげた点に意義がある」と述べた。
当期純利益は、期末の為替上昇に伴う外貨換算益に加え、Lionheartへの投資や子会社ファンドなど投資ポートフォリオからの配当金流入が寄与した。営業費用は前四半期比14%減の1448億ウォンだった。
ブロックチェーン部門の売上高は前四半期比17%増、前年同期比867%増となった。2025年10月に投入した「Legend of Ymir」グローバル版で、WEMIX基盤の経済システムが活性化し、プラットフォーム取引手数料が前四半期比44%増加。収益寄与が本格化し始めたとしている。
◆下期は新作投入を起点に成長加速 コンソール・グローバル展開を強化
Wemadeは現在、MMORPG、カジュアル、サブカル系など幅広いジャンルで約20本の新作を開発している。直近では、2026年10〜12月期に「Night Crows」IPの新作投入を予定する。Night Crowsは累計売上高が7500億ウォンを超える主力IPだ。
新作は国内市場とグローバル市場で単一ビルドによる同時配信を基本方針とする。開発リソースの効率化に加え、初動の最大化を狙う。あわせて、WEMIXをゲーム内で活用するトークノミクスを実装し、ゲームのヒットがWEMIXエコシステムの成長につながる循環モデルを構築する計画だ。
中長期のパイプラインでは、コンソール市場への本格参入を成長戦略の柱に据える。2027年下期に公開予定の「Project TAL」は、韓国風ファンタジーを背景にしたオープンワールドのアクションRPGで、同社初のグローバル向け大型コンソールタイトルとなる見通しだ。2025年に公開したトレーラーの再生回数は192万回を超えた。同社は同作を「プラットフォーム拡張に向けた重要なマイルストーン」と位置付けている。「Lies of P」の中核開発陣が設立したStudio Lasaの「Project IL」も、コンソール戦略に沿う有力タイトルとして挙げた。
キム・ギソン事業開発本部長は、コンソール進出とジャンル多様化の背景について、「北米や欧州を含むグローバル市場へ事業の重心を広げるための戦略的な選択だ」と説明した。MMORPG中心の事業構造から脱し、カジュアル、アクションRPG、シューター、サブカル系へと裾野を広げ、ユーザー基盤の拡大を図る。
◆中国展開・ブロックチェーン・ステーブルコインを中長期の成長ドライバーに
中国市場では、「MIR4」と「Night Crows」の展開を準備している。MIR4については、現地ニーズに合わせたコンテンツ調整と版号取得に向けた手続きを並行して進めており、版号取得後すぐにサービスを開始できる開発段階にあるという。同社は中国展開を「中長期の業績にとって意味のあるモメンタム」と位置付ける。
ブロックチェーン事業では、WEMIXのグローバル流動性の拡大とユーザー接点の強化に注力する。WEMIXは世界23の取引所に上場しており、2026年3月にはフィリピン最大の暗号資産取引所Coins.phにも上場した。今後は、検証済みのトークノミクスモデルをNight Crowsの新作など次期ラインアップに導入するほか、「Legend of Ymir」のキャラクターNFT取引も本格化し、収益貢献の拡大を目指す。
ウォン建てステーブルコイン事業については、「技術的な準備は完了しており、現在は法制度整備を見極める段階にある」とした。2026年1月にはStablenetのテストネットを公開済みで、WEMIX Koreaの資本金拡充を通じた戦略投資の準備も終えたという。法制化のタイミングに合わせ、主要技術パートナーとしての地位確立を目指す。
◆AI活用を全社展開 下期から収益性改善を本格化
WemadeはAI活用の全社展開も進めている。開発部門にとどまらず、全社の業務プロセスにAIソリューションを組み込み、社員がAIを使って業務改善を進め、その成果を共有する仕組みを整えた。単なるツール導入ではなく、働き方そのものの転換と位置付ける。
2026年4〜6月期は新作投入のない端境期となるため、Night Crowsの国内サービス3周年イベントなどを通じて既存タイトルの売上安定を図る。下期には、ミルIPの中国向けライセンス売上が本格寄与する見通しに加え、10〜12月期の新作投入効果も重なり、業績モメンタムがより鮮明になるとみている。人件費の効率化効果も下期半ばから本格的に反映される見込みだ。
イ室長は「現在進めているコスト効率化の取り組みが、下期の売上モメンタムと重なることで、2026年の収益構造を一段と強化し、本格的な利益改善局面に入れるとみている」と述べた。