OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が、次期AIモデルの名称候補として「goblin」に触れた。X(旧Twitter)上でのやり取りの中で示したもので、OpenAI社内ではすでに「goblin」という表現が増えた背景の分析も進んでいる。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが11日(現地時間)に伝えたところによると、アルトマン氏は次期モデルの改善点を巡るやり取りの中で、あるユーザーが求めた「more goblins」という反応に言及した。その流れで、次のモデル名を「goblin」にする案についても、前向きに受け止める姿勢を示したという。
「goblin」は、OpenAI内部でもすでに分析対象となっている。OpenAIは4月末、「goblinはどこから来たのか」と題するレポートを公表し、GPT-5.1系モデルが比喩表現としてgoblinやgremlinのような存在を頻繁に持ち出す理由を検証した。
レポートでは、モデルの振る舞いは複数の小さな誘因が重なって形作られると説明している。この事例では、人格のカスタマイズ学習、とりわけ風変わりな語り口を強める過程で、比喩的で生き物にたとえる表現が意図せず評価され、結果として「goblin」的な言い回しが広がったとしている。
また、アルトマン氏が以前、現行モデルを「autistic genius」と表現した点も同じ文脈で取り上げられた。現行モデルは技術的な課題には強みがある一方、言葉遣いや応答のトーンに一貫性を欠く面がある、という問題意識につながるという。
アルトマン氏はあわせて、OpenAIのコーディングシステム「Codex」が、人の追加介入なしに実務をこなした事例にも触れた。複数のCodexタスクを走らせたまま子どもと過ごし、戻ってみるとすべて完了していたとし、これを見て「未来を非常に楽観するようになった」と述べた。
OpenAIにおけるCodexの位置付けも変わりつつある。Codexは単なるコード自動補完ツールではなく、タスクリストを維持し、優先順位を付けながら成果物を返すエージェント型システムとして示されている。開発者が各段階で細かく介入しなくても、自然言語の指示を解釈し、実行可能なコードを生成する方向へ軸足が移っている。
こうした動きは競争環境とも連動する。CodexはAnthropicやGoogleのコーディング支援ツールと競合しており、各社は人が付ききりにならずに作業を進める開発フローを打ち出している。OpenAIも、Microsoftとの協業拡大後は、企業向け戦略の中でこうした自律的な作業フローを強調している。
足元のOpenAIでは、Codexを軸に自律型ツールの競争を加速させる一方、消費者向けモデルでは語調や人格が想定外の方向にぶれる問題への対応も求められている構図だ。次期モデルを巡っては、名称そのものよりも、自律的な作業能力と応答の制御をどこまで改善できるかが焦点になりそうだ。