Googleは、GmailのGeminiによる文章作成支援機能を強化した。過去に送信したメールの文体や、Google Workspace上の関連情報を反映し、ユーザーごとの口調や業務文脈に沿った下書きを生成できるようにする。
米メディアTechRadarが11日(現地時間)に報じた。今回の更新は、Geminiベースの「文章作成支援(Help me write)」のパーソナライズ強化が柱となる。
強化点は主に2つある。1つ目は、過去に送信したメールを分析し、ユーザーが普段使う文体に近い下書きを作る「口調・スタイルのパーソナライズ」だ。
2つ目は、Gmailと他のGoogle Workspaceアプリを連携させ、関連情報を取り込んで下書きに反映する機能だ。ユーザーは短い指示だけで、業務の流れに即したメール文面を作成できる。
Googleは、AIが作成する画一的になりがちなGmailの下書きを抑え、送信前の修正作業を減らす狙いがあるとしている。ブログでは、アプリを行き来する手間を減らし、短いプロンプトでも利用できるよう設計したと説明した。
メール作成に必要な資料を探すため、複数のサービスを切り替える時間の削減にもつなげる考えだ。
想定する利用場面としては、顧客からの問い合わせ対応、同僚への文書共有、経営陣への報告などを挙げた。Googleは、日常的なコミュニケーション基盤であるGmailを、業務支援ツールとしてさらに強化する姿勢を示している。
対象はGoogle WorkspaceのBusiness Starter、Business Standard、Business Plus、Enterprise Starter、Enterprise Standard、Enterprise Plusに加え、Google AI Plus、Google AI Pro、Google AI Ultra、教育向けのAI Proアドオンにも順次広げる。
企業向けにとどまらず、個人や教育分野にもGeminiベースの生産性向上機能を拡大する動きといえそうだ。
このほかGoogleは最近、Gmail内で自然言語による質問を通じて必要な情報を探せる「AIオーバービュー」機能も追加した。送信者や日付で手作業で絞り込まなくても、必要な内容を見つけやすくする。
同時期には、Google DriveにもAIオーバービューの適用範囲を拡大し、複数のコンテンツにまたがる情報探索をしやすくした。
今回の更新は、Geminiをより個人秘書に近い存在へと進化させる取り組みの一環といえる。Gmailでの文章作成支援と情報検索、文脈に応じた情報連携をあわせて強化し、メール業務全般に対するAI支援の幅を広げる狙いだ。
特に、既存メールの文体とWorkspace上のデータを組み合わせる手法が本格化するなか、生成AIを単なる下書き作成ツールにとどめず、パーソナライズされた業務インターフェースとして定着させられるかが今後の焦点となる。