SKCは5月12日、公募増資を通じて約1兆1671億ウォンを調達すると発表した。調達資金はガラス基板事業への投資と借入金返済に充て、財務体質の改善も進める。最終発行価格は1株当たり9万9500ウォン、新規発行株式数は1173万株とした。
既存株主の申込期間は5月14日から15日まで。新株は6月8日に上場する予定だ。
調達資金の内訳は、ガラス基板事業への投資が5896億ウォン、借入金返済が5775億ウォン。当初は借入金返済に4100億ウォンを充てる計画だったが、株価上昇で調達総額が膨らみ、返済に充てる資金を積み増せるようになった。
ガラス基板への投資額は、今後3年間に必要な資金をあらかじめ確保するとの当初方針を維持する。一方で、調達額の上振れ分は全額を借入金返済に振り向ける。
これにより、負債比率は前年末時点の約230%から約129%へ低下する見通しだ。借入金返済額が4100億ウォンにとどまる場合は140%台前半を見込んでいたが、今回の調達額の増加で改善幅は一段と大きくなる。
SKCは、高金利環境下で利払い負担を抑えつつ、事業投資の余力も確保できるとしている。
調達額が当初計画を上回った背景については、業績改善に加え、経営陣による投資家向けコミュニケーションの強化を挙げた。SKCは2026年1〜3月期にEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で100億ウォンの黒字を確保し、10四半期ぶりに黒字転換した。
その後、キム・ジョンウ社長ら経営陣は米ニューヨークなど4都市でグローバル機関投資家向けIRを実施し、収益性回復計画とガラス基板事業の推進戦略を説明したという。
子会社Absolicsによるガラス基板の商用化進展も、株価持ち直しの背景とみられている。Absolicsは最近、米国の通信半導体企業向けに、次世代ネットワーク半導体用のNon-Embeddingガラス基板の試作品を供給し、新規プロジェクトを開始した。
同製品についてSKCは、高周波・高集積環境で既存基板より高い性能を実現したとしている。現在は顧客企業による信頼性評価を受けており、これを通過すれば早ければ年内にも量産準備に入る可能性があるという。
SKC関係者は「厳しい市場環境の中でも、SKCの本源的な競争力の回復と次世代ガラス基板事業の将来価値に、株主と投資家が強い共感を示した結果だ」と説明した。
そのうえで、「確保した資金を基にガラス基板の商用化を着実に進め、財務体質の改善を通じて安定、回復、飛躍に向けたスピードを高めていく」と述べた。