写真=チャン・ミンヨンIBK企業銀行頭取

IBK企業銀行は5月12日、中小企業支援、AIを軸としたDX推進、包摂金融の強化を柱とする成長戦略を明らかにした。チャン・ミンヨン頭取は同日開いた就任100日を迎えての記者懇談会で、包摂金融は低金利融資の提供にとどまらず、資金支援後のフォローや再起支援まで含むべきだと強調した。

チャン頭取は「金融産業全体が急速な変化と転換の局面にある」としたうえで、「既存の枠を超えて新たな機会を掘り起こし、顧客と産業の成長エンジンを能動的に設計し実行する『新しい未来のIBK』をつくる」と語った。

成長戦略の方向性としては、(1)変化を先導する金融(2)可能性を実現するイノベーション(3)成果を生む経営――の3点を提示した。

中核事業である中小企業向けの生産的金融については、現在進める「332プロジェクト」が計画通り進捗していると説明した。1~3月期時点でも、おおむね目標に沿って推移しているという。

重点課題として挙げたのは、支援拡大、包摂金融、地域均衡発展の3分野だ。チャン頭取は「生産的金融はIBKが過去60年間担ってきた中核的な役割だ。今後も十分に果たしていけるという確信がある」と述べた。

このうち包摂金融と地域均衡発展については、政策金融機関として一段と踏み込んだ役割を果たす方針を示した。一般の銀行が相対的に取り組みにくい領域だとして、地方の中小企業支援と包摂金融に重点を置く考えだ。他行を上回る金利競争力を生かし、支援の裾野を広げるとしている。

包摂金融の具体策としては、単に低金利で融資するだけでなく、融資実行後も含めた一貫支援体制を構築する方針を打ち出した。

チャン頭取は「包摂金融は、資金を供給して終わりではない。資金支援後に金融面で不安を抱える層や金融消費者をどう支えるか、問題が生じた際にどう再起を後押しするかまで含む概念だ」と述べた。

あわせて、足元で議論が進む信用格付け制度の課題にも言及した。「高信用者と低信用者が同じように誠実に返済しても、低信用者のほうがより多くの利息を負担する構造が、金融消費者の観点から妥当なのか検討が必要だ」と問題意識を示した。

低信用者であることだけを理由に当初から高金利を適用するのが適切なのか、誠実に返済を続ける顧客に対して金利優遇を拡大できないかなどを、内部で検討していると説明した。

また、現在は利息の延滞が3カ月に及ぶと「固定以下与信」に分類されるとし、小口融資については償却対象の範囲を最大60%まで拡大する案も検討していると明らかにした。チャン頭取は「単に低い金利で資金を供給することだけが包摂金融ではない」と重ねて強調した。

AIを基盤とするデジタル革新も主要課題に据えた。「AIネイティブバンクへの転換を積極的に進める」とし、高度にパーソナライズしたAIバンキング、AI基盤の与信審査体制、AIエージェントを軸とした業務環境を整備し、顧客と従業員の双方に差別化した価値を提供するとした。

このほか、デジタル資産とグローバル事業の拡大を通じて新たな成長エンジンを確保する方針も示した。デジタル資産市場での主導権確保とグローバル金融ネットワークの強化を進め、データ収益化事業や金融プラットフォームとの提携を通じて新たな収益モデルを創出するとしている。

チャン頭取は最後に、「今日示した方向は単なる経営戦略ではなく、韓国の中小企業とともにより良い未来へ進むというIBKの約束だ」と述べた。現場の声を基点に変化の方向性を見いだし、持続可能な成長基盤を築く考えも示した。

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