Ethereumのデリバティブ市場で過熱感が和らぎつつあり、相場の地合いは安定方向に向かっている。ただ、市場では2450ドルの上値抵抗線を明確に突破するには、先物指標の改善だけでなく現物需要の追随が必要だとの見方が出ている。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が11日(現地時間)に伝えたところによると、CryptoQuantのアナリスト、ダークポストは、Ethereumが約1カ月にわたって2250〜2450ドルのレンジで推移するなか、過度なレバレッジの利用が大きく後退したと分析した。
ダークポストによれば、Ethereumは2月の安値から約33%反発した後、デリバティブ取引が急増した。未決済建玉(OI)も約45億ドル増加したという。なかでもBinanceの推定レバレッジ比率は3月16日に0.76まで上昇した。この指標は、取引所保有量に対してどの程度のレバレッジがかかっているかを示すもので、上昇するほど市場リスクや価格変動が高まりやすい。
足元では、この比率は0.57まで低下した。Ethereumが再び2450ドル近辺の抵抗線を試す局面と重なっており、ダークポストは、レバレッジ低下は必ずしも弱気材料ではないと指摘する。むしろ、重要な節目で相場の安定につながる可能性があるとしている。
レバレッジ縮小の背景も比較的明確だ。上放れ期待で積み上がっていたロングポジションの相当部分は、Ethereumが2350ドル近辺まで下落した過程で早期に整理された。これに加え、先行して積み上がっていたショートポジションも、上昇局面で任意・強制の清算が進んだ。ロング、ショートの双方で過度なポジションの偏りが薄れ、デリバティブ市場の過熱感が後退した格好だ。
先物市場のセンチメントにも変化が見られる。これまでの上昇局面では、ファンディングレートはおおむねマイナス圏にとどまっていた。価格が上昇しても参加者の多くが弱気姿勢を崩していなかったことを示す。一方、最近はファンディングレートが全体としてプラスに転じた。ダークポストは、デリバティブ市場でロング優位の地合いが戻ってきたと説明した。
もっとも、2450ドルの上値抵抗線を明確に上抜けるには、デリバティブ指標の改善だけでは不十分との見方だ。1カ月超続くレンジ相場を脱するには、現物市場での需要拡大が必要になるという。
こうしたEthereumの相対的な弱さは、足元の資金フローにも表れている。XWINリサーチは先週公表したレポートで、4月以降のBitcoinの反発は、強い機関投資家需要に支えられたものだと分析した。Bitcoinが11%超上昇したのに対し、Ethereumの上昇率は7.28%にとどまった。
Bitcoinには、Strategyによる40億ドル超の購入に加え、BlackRock主導の上場投資信託(ETF)への11億9700万ドルの資金流入を含む機関投資家マネーが流入した。
一方、EthereumのETFへの資金流入は3億5600万ドルで、Bitcoinの約30億ドルを大きく下回った。XWINリサーチは、資金が需要の強い資産に選別的に向かっているとみている。Ethereumや他のアルトコインがBitcoinに追随するには、継続的な資金流入が欠かせないと指摘した。
足元のEthereum相場の焦点は、デリバティブ市場の整理が進んだ後に、現物の買いが実際に広がるかどうかにある。先物市場の過熱が和らいだことはボラティリティ低下につながる前向きな材料だが、2450ドルの抵抗線突破と、その後のトレンド形成は現物需要の回復に左右されそうだ。