PS5販売の減速がゲーム事業の先行きに影響を及ぼしていることが今回の決算で浮き彫りになった。写真=Shutterstock

SonyのPlayStation 5(PS5)販売が大きく落ち込み、ゲーム事業は次の会計年度に減収となる見通しだ。ハード販売の減速に加え、メモリ調達負担も重なり、ゲーム・ネットワークサービス(G&NS)部門の先行きには慎重な見方が示された。

Sonyは8日の決算説明会で、2026会計年度のG&NS部門売上高が前年比2657億円減少する見通しを明らかにした。11日にはオンラインメディアのGigazineもこの内容を報じた。

最大の要因はPS5本体の販売減速だ。2025会計年度第4四半期(2026年1〜3月)のPS5販売台数は150万台と、前年同期比130万台減少した。通期でも1600万台にとどまり、前年を250万台下回った。第4四半期ベースの減少率は約46%に達した。

一方、ハード販売の落ち込みがそのまま事業全体の悪化に直結したわけではない。為替の追い風に加え、ネットワークサービス売上の増加や外部ソフト販売の拡大が一部を補い、G&NS部門の通期売上高は前年比873億円増となった。

ユーザー基盤は堅調だった。2026年3月時点のPlayStationの月間アクティブユーザー(MAU)は1億2500万アカウントとなり、前年同月比1%増で過去最高を更新した。2025会計年度第4四半期の総プレイ時間も前年同期比1%増だった。

Sonyは今後のPS5販売計画について、メモリ供給の状況にも言及した。同社は「適正な価格で確保できるメモリ数量を前提に販売計画を策定している」と説明し、収益性は前年度並みを見込むとした。

業界では、AIサーバ需要の拡大がメモリ市場に波及しているとの見方が出ている。AIデータセンター向け需要の増加によって需給が引き締まり、民生機器の製造コストを押し上げているとの分析だ。

価格改定も需要の変数となる。Sonyは3月27日にPS5の値上げを発表し、4月2日からグローバルで価格調整を実施した。市場では、値上げがすでに鈍化しているハード需要の一段の下押し要因になる可能性も指摘されている。

収益面では、2022年に買収したゲームスタジオBungieの不振も重荷となった。Sonyは2025会計年度第4四半期に、Bungie関連で886億円の減損損失を計上した。タイトルポートフォリオ全体の収益が想定に届かず、事業計画を下方修正したためとしている。

Bungieは同四半期に、PvPvEの脱出型シューティング「Marathon」を投入した。SonyはMetacriticで82点、Steamでユーザー好評率90%以上を記録し、継続利用率も良好だったと評価している。ただ、個別タイトルの評価とは別に、事業全体の収益性は想定を下回り、減損処理につながった。

Sonyは2025会計年度第2四半期にも、Bungie関連で315億円の減損損失を計上している。当時は「Destiny 2」の不振が主因と説明していた。

今後は、ファーストパーティータイトルの寄与が業績改善の焦点となる。Sonyは次の会計年度の主力ラインアップとして、4月発売の「サロス」と9月発売予定の「Marvel's Wolverine」を挙げ、前年度を上回る収益貢献を見込むとした。ハード販売の減少をネットワークサービス収入と自社タイトルの伸びでどこまで補えるかが注目される。

キーワード

#Sony #PS5 #PlayStation #ゲーム・ネットワークサービス #Bungie #Marathon #AI #メモリ
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.