米上場企業のBitMine Immersion Technologiesが、イーサリアム(ETH)の購入ペースを大幅に落としている。総供給量の5%確保を掲げる同社は、目標達成時期を当初の2026年7月中旬から同年下期へと後ろ倒しした。11日時点の保有量は520万6790ETHで、総供給量の4.31%に達した。
ブロックチェーンメディアのCoinpostが12日(現地時間)に伝えた。
これまでBitMineは、週10万ETHを超えるペースで買い進めてきた。ただ、今回は7日時点の518万ETHから約2万6790ETHの積み増しにとどまった。市場環境を踏まえ、購入ペースを落としたとみられる。
それでも保有規模はなお大きい。BitMineが確保したETHは総供給量の4.31%に相当し、上場企業の暗号資産トレジャリーとしてはStrategyに次ぐ規模とみられる。同社はビットコイン採掘から、ETH保有を軸とする事業モデルへ急速に転換している。
トム・リー会長は先週、同社の主要目標である「ETH総供給量の5%」確保について、達成時期を見直す方針を明らかにした。当初は2026年7月中旬を見込んでいたが、これを2026年下期に修正した。リー会長は「5%到達を急ぐ考えはない」と述べた。
BitMineは年初以降、すでに100万ETH超を買い入れている。現金77億5000万ドルを含む総資産134億ドルを背景に、購入ペースを調整しながらもETH保有を継続する構えだ。
市場では、今回のペース調整を単なる買い停止ではなく、蓄積戦略の見直しと受け止める向きが多い。BitMineは4月9日、NYSE Americanからニューヨーク証券取引所(NYSE)本市場へ移った。これにより、大規模なETH保有戦略を資本市場を通じて進めやすくなったとの見方も出ている。
需給面では、同社は2025年6月以降、ETHの供給が実質的なデフレ基調にあるとみている。この局面で大規模な蓄積が続けば、市場の流通量をさらに絞り込む可能性があるという。
リー会長は足元の暗号資産市場について、「クリプト・スプリング」の段階にあるとの認識を示した。ウォール街で進む実物資産連動(RWA)のトークン化や、自律型AIエージェントによるパブリックブロックチェーン活用の拡大が、ETHの中長期的な追い風になるとみている。さらに、5月末までETH価格が2100ドルを上回って推移すれば、弱気相場では異例となる3カ月連続の上昇になるとも言及した。
市場では今後、BitMineが購入ペースをどこまで落とすのか、先送りした5%確保目標に向けてどの時点で再加速するのかが焦点となる。保有量の拡大自体は続いており、買い入れ強度の変化がETH需給に与える影響を見極める局面が続きそうだ。