写真=マイケル・セイラー氏のX

Strategyは、5月10日までにビットコインを535BTC追加購入し、保有残高を81万8869BTCに積み増した。取得額は約4300万ドル。資金は株式の市場売却で確保しており、今後は優先株の配当負担をどう管理するかが焦点となる。

ブロックチェーン専門メディアのThe Block Cryptoによると、同社は4日から10日までの間に追加購入を実施した。平均取得単価は1BTC当たり8万340ドルだった。

マイケル・セイラー会長によれば、同社のビットコイン保有残高の取得総額は約619億ドルで、累計の平均取得単価は1BTC当たり7万5540ドル。足元の価格ベースでは保有価値は約665億ドルとなり、約46億ドルの含み益が出ている計算だ。保有量は、ビットコインの発行上限2100万BTCの約3.9%に相当する。

今回の購入資金も、従来と同様に株式の市場売却プログラムを通じて調達した。Strategyは先週、クラスA普通株のMSTRを23万1324株売却し、約4290万ドルを確保した。

5月10日時点で、MSTRの追加発行・売却余力は263億5000万ドル残っている。あわせて永久優先株のSTRCも1412株を約10万ドルで売却し、同プログラムの残枠は194億6000万ドルとなった。

同社はビットコイン取得に向け、2027年までに総額840億ドルを調達する「42/42」計画も並行して進めている。STRK、STRC、STRF、STRDといった永久優先株を活用した市場売却プログラムも運用中だ。直近では、MSTRで210億ドル、STRCで210億ドル、STRKで21億ドルを追加する形で調達枠を拡大した。

今回の追加購入は、1週空けて再開したものだ。セイラー氏は、定期的に公表しているビットコイン取得トラッカーの更新にあわせて「業務復帰」と投稿し、取得再開を示唆していた。Strategyはその前週、1〜3月期(第1四半期)決算の発表を控え、週次の購入を停止していた。

一方で、業績面の重さはなお残る。Strategyは第1四半期に125億ドルの純損失を計上した。大半は、保有ビットコインに関する145億ドルの評価損によるものだった。

それでも経営陣は、STRCを足元のビットコイン購入を支える中核的な資金源と位置付けている。STRCは月次配当型の変動金利・累積型優先株で、株価を額面の100ドル近辺に維持するよう配当利率を調整する仕組みとされる。現在の年率換算の配当利回りは11.5%だ。

同社はSTRCの配当支払い頻度を月1回から月2回に見直す案も示した。再投資までの時間差を縮めることで、流動性の改善や市場効率の向上、価格安定につなげる狙いがあるとしている。

セイラー氏は将来的に、STRCの配当原資を確保するためビットコインの一部売却に踏み切る可能性にも言及した。第1四半期の決算説明会では、「配当原資確保のために一部ビットコインを売る可能性がある」と述べた。

ただ、週末のインタビューでは、純購入の方針は維持すると強調した。ポッドキャストでも「仮にビットコインを1BTC売ったとしても、10〜20BTCを追加で買うことになる」と述べ、「ビットコインは純蓄積を維持すべきだ」と語った。

ビットコインを財務戦略の一環として保有する上場企業は増えている。Bitcoin Treasuriesの集計では、196社の上場企業が何らかの形でビットコイン購入モデルを導入した。

もっとも、こうした企業の株価の多くは2025年夏の高値から大きく下落しており、純資産価値に対する時価総額倍率も低下している。MSTRについても、Bitcoin TreasuriesベースのmNAVは1.04倍まで低下し、2025年夏の高値に比べて約59%安の水準にあるという。

市場の関心は、Strategyが積極的なビットコイン購入を続ける一方で、優先株の配当負担と資本調達圧力をどうコントロールするかに移っている。ビットコイン保有の拡大を中核戦略に据えるなか、STRCの配当原資をどう確保するか、追加購入のペースをどう維持するかが、MSTR株の評価を左右しそうだ。

Strategyは今回の取得について、「約4300万ドルで535BTCを購入し、2026年の年初来BTC Yieldは9.4%となった。2026年5月10日時点で、618億6000万ドルで取得した81万8869BTCを保有している」と説明している。

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