Ethereum(ETH)に、四半期ベースで史上初となる3期連続下落の可能性が浮上している。対ビットコイン(BTC)での弱さが続くうえ、取引所、とりわけBinanceでのETH残高の増加が売り圧力への警戒を強めている。一方で、ETFには資金流入が続いており、機関投資家の需要はなお底堅い。
CryptoPolitanが11日(現地時間)に報じた。ETHは2025年10〜12月期、2026年1〜3月期と続けて四半期ベースで下落しており、4〜6月期の値動きにも関心が集まっている。
CoinGlassのデータによると、ETHは2025年10〜12月期、2026年1〜3月期のいずれもマイナスで着地した。ただ、進行中の2026年4〜6月期は累計リターンが11%超のプラスとなっており、現時点で3四半期連続下落が確定したわけではない。
重荷となっているのは、BTCに対する相対的な弱さだ。ETHは過去1年でBTC建てで35%超下落し、年初来でも21%超下げた。これに対しBTCの下落率は同期間で6%にとどまり、ドミナンスは60%超を維持している。
テクニカル面でも不安は残る。ETHは直近で上値抵抗線に跳ね返された後、主要なサポートラインを下回って推移している。一部アナリストの間では、弱気基調が続けばBTC建てでさらに40%下落する可能性があるとの見方も出ている。
取引所データも警戒感を強めている。CryptoQuantによると、BinanceのETH保有量は362万ETHに増加し、取引所全体の保有量の約24.6%を占めた。市場では、取引所残高の増加を投資家の売却準備を示すシグナルとみる向きがある。ETHの先物未決済建玉(OI)も直近24時間で小幅に増加した。
足元の価格推移は方向感に欠ける。ETHは直近7日で約2%下落した一方、30日ベースでは3.3%上昇し、2337ドル近辺で取引された。BTCは7日で2%超、30日で約12%上昇し、8万1920ドル近辺で推移した。
もっとも、市場全体が一段と弱気に傾いているわけではない。Ethereum Foundation(EF)による売却やアンステーキングを巡っては、一部で過度な懸念との見方もある。EFはこれまで運営費や助成金、給与、開発資金を確保するため、定期的にETHを売却してきた。加えて、約4960万ドル規模のアンステーキングが観測され、追加売りへの警戒が広がったが、これだけで大規模な売りが差し迫っているとまでは言えないとの指摘も出ている。
機関投資家の買い需要も続いている。BitMine Immersion Technologiesは先週、2万6659ETHを追加購入し、総保有量を520万ETH超に積み増した。これはEthereumの流通量の約4.3%に当たる。同社は世界最大のEthereum財務保有企業で、保有量の90%超をステーキングプラットフォーム「MAVAN」を通じて運用しているという。
トム・リーは購入ペースを落とした理由について、ここ数週間にわたり週10万ETH超のペースで買い進めていたため、その速度を意図的に調整したと説明した。このペースを維持していれば、BitMineは7月中旬までに総供給量の5%保有に近づいていた可能性があるとも述べた。今後のETH相場の主要な追い風としては、ウォール街でのトークン化拡大とエージェント型AIの進展を挙げている。
価格の節目にも言及した。トム・リーは、ETHが2026年5月末に2100ドルを上回って引ければ、月足で3カ月連続上昇となり、「クリプト・スプリング」到来を確認するシグナルになり得ると語った。
資金フローも完全には細っていない。先週の暗号資産ETFには約8億5790万ドルが純流入した。このうちビットコイン連動ETFが6億2200万ドル超を集め、Ethereum ETFにも7000万ドル超が流入した。ETHの短期的な弱さとは別に、機関投資家の需要が維持されるかどうかが、2026年4〜6月期の相場を左右する焦点となりそうだ。