画像=Reve AI。今回のビットコイン反発は、新規のステーブルコイン供給より既存流動性と現物買いが支えている点が注目されている。

ビットコイン(BTC)が8万ドル(約1200万円)台を回復した。もっとも、今回の上昇局面は過去の強気相場とは様相が異なる。これまで相場上昇時に繰り返し確認されてきたTether(USDT)の大規模な新規発行が限定的なまま価格が上昇しており、市場では単なる流動性主導ではなく、現物需要に支えられた上昇ではないかとの見方が出ている。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは11日(現地時間)、足元のビットコイン高について、ステーブルコイン供給の拡大よりも、既存の市場資金と現物買いが相場を支えている可能性があると伝えた。

ビットコインは4月29日に7万4912ドルまで下落した後、安値と高値を切り上げながら反発基調を維持してきた。直近12日間の上昇率は約8.22%。11日は一時1%台の調整を挟んだものの、8万1000ドル前後で推移し、8万ドル台を維持した。

CryptoQuantの認定アナリスト、マルトゥーン氏は「今回は何かが違う」と指摘した。過去のビットコイン急騰局面では、大規模なUSDT発行が上昇に先行するか、上昇初期に集中して発生するケースが多かった。一方、直近数日間の上昇では、同規模の新規発行は確認されていないという。

実際、チャート上では2024年末から2025年の大半にかけて、ビットコインの急騰局面とUSDTの大規模発行の時期が重なる場面が多く見られた。こうした発行は、価格急騰の直前か上昇初期に現れる傾向があり、新たに供給されたステーブルコインが取引所に流入し、ビットコインの買いに使われることで相場を押し上げる構図が繰り返されてきた。

これに対し、足元の反発は構造が異なる。ビットコインが7万5000ドル近辺から切り返した初期には、USDT発行の増加が一部で見られたものの、その後の上昇局面では大規模な流動性供給を伴わないまま価格上昇が続いている。市場では、相場内に残っていた資金と現物需要が上昇を支えていることを示す動きとの受け止めが出ている。

この点を前向きに見る向きもある。新たなステーブルコイン供給への依存が小さい上昇は、投機資金よりも実需に基づく買いの比重が高い可能性を示すためだ。あわせて、売り圧力が従来より弱まっている可能性も指摘されている。

一方で、短期的には上昇ペースが緩やかになるとの見方もある。強い流動性の流入を伴わずに相場が上昇する場合、急騰というよりは途中で調整を挟みながら上値を試す展開になりやすいという。

テクニカル面では、8万ドルが重要な支持線とみられている。これに対し、8万2000〜8万5000ドルは主要な抵抗帯とされる。アナリストらは、このゾーンを明確に上抜けられるかどうかが今後のトレンドを左右する可能性が高いとみている。加えて、USDTの新規発行動向、取引所への資金流入、ステーブルコイン残高の変化も、相場の方向感を見極めるうえで重要な材料に挙げられている。

他のアナリストの見通しも、この抵抗帯の突破可否に焦点を当てる。キャピタル・マークス氏は、ビットコインは節目を上抜けた後に強い値動きを見せる傾向があるとして、現在はより大きなラリーの初期段階にある可能性に言及した。上値余地として、約12万4697ドルまで53%の追加上昇余地を示した。

アリ・マルティネス氏は、200日単純移動平均線が位置する8万2500ドルを重要水準に挙げた。このラインを上回れば9万4000ドルまで上値余地が広がる一方、突破できなければ50日単純移動平均線に当たる7万5000ドルを再び試す可能性があるとした。

今回のビットコイン反発で注目すべき点は、価格上昇そのものよりも、それを支える資金の構造変化にある。USDT発行が鈍い状態でも8万ドル台を維持していることは、需要の質が変わりつつある兆候とも受け止められる。ただ、強い流動性供給を伴わないまま抵抗帯を一気に突破できるかどうかは、なお見極めが必要だ。

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