12年以上動きのなかったビットコイン(BTC)の大口ウォレットが動き出し、市場の関心を集めている。500BTCが新たなアドレスに移され、単なるウォレット再編なのか、それとも売却の前触れなのかを巡って見方が分かれている。
ブロックチェーン専門メディアのCoinDeskとCoinPostによると、オンチェーン分析アカウントのLookonchainとWhale Alertは11日、長期休眠状態にあったビットコインウォレットから500BTCの移動を確認した。
移動前の資金はアドレス「1KAA8G」に保管されていたが、その後、新しいビットコインアドレスへ全量が送られた。このウォレットは2013年11月にビットコインを取得して以降、12年以上にわたってほぼ動きがなかったとされる。
今回移動した500BTCの時価は約4062万ドル。取得当時のビットコイン価格は1BTC当たり約914ドルで、当初の取得額は約45万7000ドルと推定される。
現在の時価ベースでは含み益は約4017万ドルとなり、元本比では約88倍に達する計算だ。
市場が注視しているのは、移動そのものよりも資金の最終的な行き先だ。一般に、長期休眠していた大口ウォレットが突然動くと、取引所への入金や大口売却につながるのではないかとの見方が強まりやすい。
もっとも、現時点で移動先の新アドレスが既知の取引所ウォレットと結び付いていることは確認されていない。このため、セキュリティ対策やアドレス整理に伴う移管にとどまる可能性もある。
オンチェーン上では資金の流れを追跡できるが、公開情報だけで実際の売却の有無まで断定するのは難しい。
最近は、こうした長期休眠ウォレットの再始動が相次いで確認されている。ビットコインが2024年末に初めて10万ドルを突破して以降、初期投資家やマイナーが長期保有してきた資金を動かす事例が増え、市場では利益確定への警戒も強まってきた。
昨年7月には、いわゆる「サトシ時代」のウォレット8件が約14年ぶりに資金を移動したケースもあった。各ウォレットには1万BTCが保管されており、ビットコインが過去最高値圏で推移していた時期と重なったことで、市場の警戒感を誘った。
業界では、長期休眠分の移動自体が投資家心理に影響を及ぼし得るとみている。とりわけ数百BTCから数千BTC規模の資金が取引所に流入した場合、市場では潜在的な売り圧力のシグナルとして受け止められやすい。
ただ、今回の500BTC移動がそのまま市場のショックにつながるかはなお不透明だ。現時点で取引所への流入や売却の痕跡は確認されておらず、その後の移動経路も明らかになっていない。
ビットコインは現在、8万700ドル近辺で取引されている。市場は今後、この資金が取引所アドレスと結び付くか、追加のオンチェーン移動が発生するかを注視している。