米国で6G向け周波数の選定作業が進む中、7GHz帯が有力候補として存在感を強めている。米国家電気通信情報局(NTIA)が候補帯域ごとの検討状況を公表し、7GHz帯が最も先行していることが明らかになった。業界の支持も広がっているが、最終決定に向けては予算確保と行政手続きが課題として残る。
IT専門メディアのPhoneArenaが9日(現地時間)に報じたところによると、NTIAは6Gに活用する周波数の確保に向けた検討を進めており、候補の中では7GHz帯が最も進んでいる。
NTIAは今週、各候補帯域の進捗を示す専用サイトを開設した。各帯域は12段階の検討プロセスを経るが、7GHz帯は第8〜9段階に達しており、次の手続きは周波数干渉分析となる。これに対し、4.4GHz帯は第3段階まで終え、第4段階を控える。2.7GHz帯と1.6GHz帯は第5段階入りの準備段階にある。
政府レベルでも、7GHz帯を軸とした検討が具体化している。ドナルド・トランプ米大統領は昨年12月、「Winning the 6G Race(6G競争で勝利する)」と題した覚書に署名した。これを受け、NTIAは7.125GHz〜7.4GHzの、いわゆる下位7GHz帯の分析を指示された。
これとは別に、1.3GHz〜10GHzの範囲で600MHz幅の周波数を排他的ライセンス向けに割り当てる案も進んでいる。連邦政府の一部利用者については、7.4GHz〜8.4GHzの別帯域への移行案も取り沙汰されている。
こうした動きは、5Gで蓄積した技術や標準化、AIとの融合力をてこに6Gの主導権確保を狙う米国の戦略とも重なる。候補帯域の中でも7GHz帯を中心に据える議論が進んでいる点は、象徴的な意味合いを持つ。
業界でも、7GHz帯を6Gの中核候補とみなす動きが続いている。5G Americasは2024年10月に公表した白書で7GHz帯の6G活用を提案した。NokiaとEricssonも同様の立場を示している。約1年前には、T-Mobileが米連邦通信委員会(FCC)の承認を受け、7GHz帯でNokia製機器の試験を実施した。
当時、T-Mobileはこの試験について「将来の無線技術の発展を支援するため」と説明した。市場では、これを6Gを見据えた取り組みと受け止める見方が広がった。
アリエル・ロス(Arielle Roth)NTIA長官は8日、CTIAサミットで周波数政策の方向性にも言及した。ロス氏は「私たちは再構成し、現代化し、より多くの余地を生み出せる」と述べ、既存の周波数資源を再配置できる可能性を強調した。周波数をより効率的に活用するほど、大きな価値を生み出せるとも語った。
もっとも、検討完了までには予算面と手続き面のハードルが残る。ロス氏によると、周波数分析費用を賄う周波数移転基金(SRF)の活用には、詳細なパイプライン計画の提出、技術パネルの審査、予算管理局長の承認、60日間の議会通知期間が必要となる。2.7GHz帯の研究予算支援を決めるまで、議会に残された時間は54日で、4GHz帯に関する手続きも並行して進んでいるという。
政策面のスケジュール自体は比較的明確だ。NTIAの最終報告書は12月に提出される予定で、米政府は2028年夏季五輪の開幕前までに6Gスマートフォン3機種の投入を目標にしているとされる。ただ、足元の検討状況を踏まえると、この日程の達成は容易ではないとの見方も出ている。
米国の6G周波数を巡る議論では複数の候補帯域が残っているが、現時点で最も具体的な段階に進んでいるのは7GHz帯だ。今後は干渉分析の結果に加え、連邦利用者の移転計画や予算確保の可否が、6G向け周波数の最終決定を左右することになりそうだ。