Rippleのブラッド・ガーリングハウスCEO(写真=Wikimedia)

Rippleのブラッド・ガーリングハウスCEOは9日、同社がXRPから距離を置いているとの市場の一部観測を否定した。ステーブルコインや企業向け財務事業の拡大も、長期的にはXRPの流動性や採用、信頼の強化につながる戦略だと説明した。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、ガーリングハウス氏は「XRPL Las Vegas」のイベントで、Rippleは現在も世界で最も多くXRPを保有しており、XRPの成功を最も強く望んでいるのも自社だと述べた。

同氏は、RippleのXRPへのコミットメントを疑う見方について「笑えるし、奇妙だ」と指摘。「Rippleはこの地球上で最も多くXRPを保有している。XRPが成功することを最も望んでいる当事者だ」と語った。足元では、同社がステーブルコインやTreasury分野へ事業領域を広げたことで、XRP以外へ軸足を移しつつあるのではないかとの懸念が出ていた。

これに対しガーリングハウス氏は、Rippleの戦略の中心はあくまでXRPの活用拡大や流動性向上、金融機関からの信頼獲得にあると強調した。グローバルな金融機関や資本市場向けに製品・サービスを提供しながら、XRPを「最も有用なデジタル資産」にする方法を引き続き模索しているという。

ステーブルコイン事業が将来的にXRPを代替し得るとの見方にも一線を画した。個々の事業判断は、短期的にはXRPと直接結び付いて見えない場合があっても、結果としてエコシステムを間接的に支えると説明した。その上で、すべてが直線的にXRPへ結び付くわけではないとしつつ、長期目標はXRPの流動性、採用、信頼の拡大にあると述べた。

Rippleは企業向け財務事業「Ripple Treasury」の拡大にも注力している。ガーリングハウス氏は、ラスベガス・ストリップ周辺でXRPとRipple Treasuryの広告を展開したと明らかにした。競合のKyribaが近隣で顧客イベントを開いていた時期と重なっており、Ripple Treasuryの広告を掲出したバスを、その会場参加者の移動手段として投入したことも紹介した。

事業規模の拡大にも触れた。ガーリングハウス氏によると、Rippleの従業員数は現在約1500人。2026年は複数部門で「記録的な年」になるとの見通しを示したが、具体的な業績数値には言及しなかった。

また、Rippleの外部にあるXRP Ledger Foundationや、XRP Ledgerエコシステムの拡張可能性にも言及した。今後のブロックチェーン活用の多くは、トークン化や債券決済といった分野で、Rippleとは別に発展する可能性があるとの見方を示した。

同氏はさらに、デイビッド・シュワルツ氏と初期のXRP Ledger開発陣が10年以上前から、トークン化機能を内蔵した初期の分散型取引所(DEX)の構造を設計していたと評価した。伝統的金融の非効率の例としては債券決済を挙げ、同分野の決済システムはいまだに古く非効率で、こうした領域のオンチェーン移行は時間の問題になると述べた。

一方で、ブロックチェーン業界の将来が単一チェーンへ集約されることはないとの認識も示した。今後はマルチチェーン環境へ向かう可能性が高く、XRP Ledgerが強みを発揮できる領域がある一方、他のブロックチェーンの方が適した分野もあり得ると説明した。

その上でRippleは、XRP Ledgerが価値を発揮できる分野では、実際のブロックチェーン導入を後押ししていく考えを示した。ステーブルコインや企業向け事業を広げる中でも、長期的な軸足はXRPエコシステムの強化にあることを改めて示した形だ。

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