無人物流の商用化加速を印象づけた北京モーターショーの展示。写真=MINIEYE

中国で、電動化と自動運転を組み合わせた無人物流の商用化が加速している。都市部の配送では既存の配送バンを代替する「ロボバン」の導入が広がり、長距離の幹線輸送でもL4自動運転トラックの展開が本格化しつつある。

電気自動車専門メディアのCleanTechnicaは5月8日(現地時間)、中国の主要都市で無人物流車の導入が拡大していると報じた。都市配送に加え、長距離貨物輸送でもL4自動運転トラックの投入が進んでいるという。

北京モーターショーでは複数のロボバンや自動運転トラックが公開され、無人物流が実証段階から商用展開へ移りつつあることを印象づけた。各車両は電動車プラットフォームをベースにL4相当の自動運転技術を搭載し、ドライバーレスでの貨物輸送を前提に設計されている。

MINIEYEは最新モデル「Bamboo Robovan T5 Pro」を公開した。高精度地図への依存を抑え、さまざまな地域ですぐに運用できる設計とし、同社はこれを業界初の「完全な地図レスL4無人物流車」と位置付けている。

同車にはMINIEYEの知能走行システム「iPilot 4 Max」を搭載する。既存モデルはすでに中国18都市で運用されており、新モデルは開発初期から複数のパートナー企業が参加した。引き渡しは数カ月以内に始まる予定だ。

QCraftもL4ロボバンを公開し、競争に加わった。Waymo出身者が創業した同社は、地図依存を抑えつつ、データのクローズドループ型開発に基づくフルスタック自動運転システムを打ち出している。

あわせて、積み込みを支援する小型ロボットを組み合わせた構成も提示し、ラストワンマイル配送の効率化を狙う。

展示されたロボバンの主な仕様は、積載容量が約5立方メートル、最大積載量が約1000キログラム。運転席をなくし、車内空間を最大限に活用した点が特徴だ。

航続距離は約200キロメートルで、都市配送向けの運用を想定する。価格は2万ドル未満とされ、人件費の削減効果によって投資回収は早いとみられている。

一方、幹線物流分野ではCarl DynamicsがL4自動運転トラック「KargoBot Space」を公開した。運転席を持たないセミトラック級の貨物車で、従来のキャブ構造を省くことで積載効率を高めたとしている。

KargoBotは輸送実績が14億トンキロを超えたとしており、新モデルでは積載スペースを約25%拡大し、実効輸送能力を10%改善したと説明した。CATLと協力してバッテリー交換方式を採用し、1日当たり最大2000キロメートル規模の自律運行が可能だと主張している。

中国は鉄道を基盤とする大量輸送網をすでに整備している一方、区間によってはトラック物流の比重が高い。こうした事情を背景に、電動化と自動運転を組み合わせた物流ソリューションが、都市配送と長距離輸送の双方で広がっている。

業界では、中国の物流産業が単なる技術デモの段階を超え、実運用の効率を競う局面に入ったとの見方が出ている。自動運転物流車の商用配備が進めば、今後の物流の構造変化に影響を与える可能性もある。

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