機関投資家の買いの勢いが鈍るなか、米CPIの発表がビットコイン相場の焦点となっている。写真=Shutterstock

ビットコイン(BTC)は、米国の4月消費者物価指数(CPI)発表を前に、相場の警戒感が強まっている。インフレ再加速への懸念に加え、これまで相場を支えてきた機関投資家の買いに一服感が出ており、市場では7万ドル台まで調整する可能性も意識されている。

Cointelegraphは10日(現地時間)、インフレ再上昇への警戒と機関投資家の買い鈍化を背景に、ビットコインの短期的な調整余地が広がっていると報じた。

焦点となるのは12日に発表予定の米4月CPIだ。クリーブランド連邦準備銀行の最新推計では、4月のCPI上昇率は前年同月比3.56%と、3月の3.3%を上回る見通し。一方、前月比では0.45%と、3月の0.9%から鈍化すると予想されている。

ただ、前年比の伸びが再び加速すれば、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ余地が狭まり、リスク資産全般の重荷になりかねない。

ビットコインはこれまで、高めのCPIが発表された局面でも大きく崩れずに推移してきた。3月のCPIが2月の2.4%から3.3%へ上昇した後も、ビットコイン価格は15%超上昇した。

当時は機関投資家が新規に供給されたビットコインの5倍超を吸収し、その中心がStrategyだったとされる。

もっとも、今回はその需給の下支えが弱まっている。Strategyはビットコインの買い増しを停止している。

同社の優先株「STRC」も額面100ドルを下回って推移している。額面割れが続けば新株発行の効率が低下し、ビットコイン追加購入に向けた資金調達余力も制約される可能性がある。

市場では、CPI発表を前にリスクポジションを落とす動きが広がる可能性も指摘されている。アナリストのKillaは11日の投稿で、大口投資家がインフレ指標の発表前後にリスク圧縮に動く可能性があるとの見方を示した。

Killaは、2025年のCPI発表局面でも同様の慎重姿勢が繰り返されたと指摘。そのうえで「週足の始値ベースで7万8600ドルを維持する必要がある」とし、「これを割り込めば次の下値めどは7万4000〜7万5000ドル」と述べた。

テクニカル面でも警戒シグナルが浮上している。日足チャートでは、典型的な上昇ウェッジが形成されつつあるという。

上昇ウェッジは一般に下落反転を示唆するパターンとされる。価格が下側のトレンドラインを割り込んだ場合、パターンの値幅に相当する追加下落につながる可能性がある。

11日時点でビットコインは、2本のトレンドラインが交差する8万4000ドル近辺の収れん局面に向かっている。この水準で下放れした場合、下値めどは7万ドル前後になるとみられている。

一方、この収れん局面を上抜ければ下落シナリオは後退する可能性がある。このゾーンは200日指数移動平均線(EMA)とも重なっており、上抜けた場合の次の上値めどは9万〜9万5000ドルとされた。

今週のビットコイン相場は、米CPIの結果、機関投資家の需給動向、そしてテクニカル上の抵抗線を突破できるかが方向感を左右する公算が大きい。相場を支えてきた機関投資家の買いが弱まるなか、CPIが再び金融引き締めへの警戒を強めれば、ボラティリティの拡大は避けにくいとの見方も出ている。

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