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アルトコイン相場への期待が、5月に入ってソーシャルメディア(SNS)上で急速に高まっている。ただ、市場ではEthereumの対Bitcoinでの弱さが続いており、本格的なアルトコインシーズン入りを判断するにはなお材料不足との見方が出ている。

ブロックチェーン専門メディアのBeInCryptoが10日付で報じたところによると、足元では一部アルトコインの反発を受けて個人投資家の関心が戻りつつある。もっとも、資金がBitcoinからEthereum、大型アルトコインへと広がる典型的な循環はまだ明確ではないという。

オンチェーン分析企業Santimentによれば、SNS上で「アルトコインシーズン」への言及は5月初旬に大きく増えた。5月4日の言及数は544件と、2月5日以降で最高水準を記録した。「アルトシーズン」についても、5月5日時点で3月18日以降の最高値となった。

こうした動きの背景には、一部アルトコインの上昇を受け、資金がBitcoinから他の暗号資産へ向かうとの期待が強まったことがあるとみられる。

ただ、価格反発だけでアルトコインシーズン入りと判断するのは早計だ。市場の資金循環が本格化しているかを見極めるうえでは、どの資産が先行して買われているかが重要になる。

暗号資産アナリストのAltcoin Vectorは、今回の上昇局面には構造的な弱さが残ると指摘した。Bitcoinを除く主要アルトコインの動きを示すOTHERS/BTCは持ち直しの兆しを見せている一方、ETH/BTCは依然として軟調だという。

Altcoin Vectorは「この乖離は、アルトコイン市場が循環相場を先回りして織り込んでいる可能性を示している」としたうえで、「健全な資金循環は通常、Ethereumから始まる」と説明した。

一般にアルトコインシーズンでは、まずBitcoinの上昇が一服し、その後に資金がEthereumや大型アルトコインへ移る。さらに中小型トークンへ物色が広がる流れが想定される。

しかし現状では、Ethereumの対Bitcoinでの強さが明確に戻らないまま、一部アルトコインだけが先行して反発している。市場全体で循環物色が進んでいると判断するには、なおシグナルが限られているとの分析だ。

今後の相場を左右する材料としては、BitcoinのドミナンスとETH/BTCの動向も挙げられる。Bitcoin優位の地合いが続くなかでETH/BTCの弱さが解消されなければ、足元のアルトコイン高は短期的な反発にとどまる可能性がある。

一方で、Ethereumが対Bitcoinで持ち直し、売買の中心が大型アルトコインにも広がれば、アルトコインシーズンへの期待は一段と強まる可能性がある。

市場の焦点は、ETH/BTCが相対的な強さを取り戻せるかにある。Altcoin Vectorは、足元のアルトコイン上昇が持続的な循環相場につながるかどうかは、結局のところEthereumがBitcoinに対する強さを回復できるかにかかっているとの見方を示した。

ETH/BTCの弱さが解消されないままであれば、Bitcoinが調整した際に小型アルトコインの上昇分が急速に失われる可能性もあるという。

足元のアルトコインラリーは投資家心理の面で確かに過熱感を帯びているが、典型的な資金循環の経路はなお確認されていない。SNS上の言及急増や価格反発だけでアルトコインシーズン入りを断定するのではなく、Ethereumが市場内で存在感を取り戻せるかが次の分岐点となりそうだ。

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