写真=GM

カリフォルニア州は、OnStar利用者数十万人の位置情報や走行データをデータ仲介業者に販売したとして、General Motors(GM)に1275万ドル(約19億円)の制裁金支払いを求める和解案をまとめた。

米メディアCryptopolitanが10日(現地時間)に報じた。和解案は裁判所の承認が必要だが、カリフォルニア消費者プライバシー法(CCPA)に基づく制裁としては最大規模となる見通しだ。

和解案には、金銭面の制裁に加え、営業上の制約も盛り込まれた。GMは今後5年間、消費者の個人情報を販売できない。顧客から改めて同意を得ない限り、保有する運転者データを180日以内に削除する必要がある。

また、消費者信用評価機関への走行データの販売も停止する。Verisk AnalyticsとLexisNexis Risk Solutionsに対しては、これまで取得したデータの削除を求めなければならない。

州当局は、GMが2016年から2024年にかけて、OnStar対応車両から収集した情報を外部に提供していたと判断した。対象には、加入者の氏名、電話番号、自宅住所、GPS位置情報のほか、走行・駐車記録、速度、急加速の履歴などが含まれていた。

OnStarは、経路案内や緊急通報、ロードサイドアシスタンスなどを提供するサービス。

カリフォルニア州司法長官のロブ・ボンタ氏は発表で、「GMは、そのようなことはしないと運転者に繰り返し説明していたにもかかわらず、顧客の認識も同意もないままデータを販売した」と批判した。

問題となった情報についても、「カリフォルニア州民の日常的な行動や移動経路を特定できるほど、精緻で個人的な内容だった」と指摘した。

GMを巡っては、規制当局による対応がすでに進んでいる。米連邦取引委員会(FTC)は2025年1月、GMとOnStarについて、車両の駐車位置や運転者の行動に関する非公開データを、消費者信用評価機関と5年間共有または販売しないとする和解を結んでいた。

FTCは当時、GMの行為を消費者の信頼に対する「深刻な裏切り」と位置付けていた。

自動車業界のデータ販売慣行は、2024年の報道をきっかけに注目を集めた。自動車メーカーが運転行動データを保険会社に提供していたことが明らかになり、一部の運転者は、データ共有後に保険料が上昇したと主張していた。

一方、カリフォルニア州当局は、州保険法では運転行動データを保険料算定に利用できないとしている。このため、州内の運転者については、GMのデータ販売と保険料引き上げの直接的な関連は確認されていないと説明した。

GMは今回の和解について、2024年に終了した「スマートドライバー」製品に関する案件だと明らかにした。

同社はあわせて、プライバシー保護の取り組みを強化してきたと説明した。顧客に対しては、データの取り扱い方法や個人情報の管理権限について、より高い透明性をもって示していく方針も示した。

車載ソフトウェアやコネクテッドサービスの拡大を背景に、自動車メーカーによるデータ活用に対する規制は一段と強まりそうだ。位置情報や走行習慣といった機微な車両データは、収集だけでなく、販売、保管、削除、同意取得の手続きまで規制対象となる可能性が高まっている。

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