銀行各行が、ランニングやウオーキングなどの健康活動と資産形成を組み合わせた「ヘルスケア金融」の取り組みを強化している。預金金利の上乗せにとどまらず、運動記録やカード利用実績、アプリ参加を特典に反映する商品が広がっており、若年層を中心とした顧客の囲い込み競争が激しくなっている。
業界によると、ランニング人口は約1000万人を超えると推計される。若年層を中心に関連市場が急拡大しており、金融各社もこうした需要を取り込む動きを強めている。
こうした流れを受け、主要銀行はランニングやウオーキングのプラットフォームと連携した預金商品を相次いで投入している。運動量に応じて優遇金利を上乗せしたり、各種特典を付与したりする仕組みを前面に打ち出し、若年層やランニング愛好者の獲得を狙う。
KB国民銀行は、ランニングサービス「Dalija」と連携した「KB Dalija積立預金」を投入した。月間走行距離に応じて優遇金利が変動し、基本金利に各種優遇を加えると上限は年7.2%となる。月間の積立上限は30万ウォンで、期間は6カ月の自由積立型だ。
特徴は、月間の累計走行距離に応じて優遇金利を段階的に上乗せする点にある。10キロ以上で追加金利を付与し、ハーフマラソンやフルマラソン相当の距離を達成すると優遇幅が広がる。KB国民銀行は先行してランニングプラットフォーム「Dalija」も立ち上げており、運動記録の管理や特典提供を展開している。サービス開始後は加入者が急増し、関心を集めたという。
新韓銀行は、健康プラットフォームと連携した「Shinhan運動靴積立預金」を提供している。シニア向けウオーキングサービス「Shinhan 50+歩こう」や、ランニングプラットフォーム「Shinhan 20+走ろう」への加入状況、カード利用実績などに応じて金利を上乗せし、上限は年7.5%とした。
健康プラットフォームへの参加そのものを金融特典につなげた点が特徴だ。基本金利に加え、プラットフォーム加入、新規顧客向け優遇、カード利用実績などの条件を満たすことで金利が上がる仕組みを採る。新韓銀行は、ウオーキングやランニングの利用者基盤を活用し、健康管理と金融サービスの連携を進めている。
ハナ銀行も最近、ランニング記録に基づいて優遇金利を付与する積立商品「走れハナ積立預金」を発売した。累計走行距離に応じて金利を上乗せする仕組みで、上限は年6.0%。月間の払込上限は30万ウォン、加入期間は1年としている。
モバイルアプリ内の健康管理サービスと連携し、一定以上の累計走行距離を達成すると追加金利を受けられる。体力認証や友人招待の実績でも優遇を設けた。あわせて、ランニングシューズやスマートウォッチを景品とするイベントも展開し、ランニング需要の取り込みを図る。
金融各社がヘルスケア金融を拡大する背景には、ランニングやウオーキング文化の急速な大衆化がある。銀行は預金商品の販売にとどまらず、ランニングコミュニティーやチャレンジ企画、健康プラットフォーム、カード特典を組み合わせ、顧客との接点拡大に力を入れている。
健康管理の活動が自然に金融取引へつながる導線を築き、囲い込み効果を高める狙いがあるとの見方も出ている。
銀行関係者は「運動や健康管理への関心の高まりを受け、金融特典と結び付ける取り組みが広がっている」としたうえで、「今後は他の金融サービスとの連携もさらに活発になる可能性が高い」と話した。