Reka AIが、動画生成AIスタートアップのMoonvalleyを全株式交換で買収した。画像・動画関連事業を強化するとともに、ワールドモデルやロボティクス分野への展開を進める。
米The Informationが事情に詳しい関係者2人の話として報じた。Moonvalleyは2023年設立のトロント拠点企業で、著作権侵害を避けるため、ライセンスを取得したデータで学習させた動画生成モデルを提供しているという。
Moonvalleyはこれまでに、General Catalyst、Khosla Ventures、Y Combinatorなどから計1億5400万ドル(約231億円)を調達している。
Reka AIは創業3年目。企業向けに動画・画像コンテンツの検索や活用を支援するソフトウェアのほか、AI研究や音声生成技術の開発も手掛けている。
2024年には、データプラットフォーム大手のSnowflakeがReka AIの買収を10億ドル(約1500億円)で検討したが、取引は成立しなかった。その後、Reka AIはフロンティアモデル開発から、法人向けの画像・動画アプリケーションへと軸足を移していた。
今回の買収を通じて、Reka AIはワールドモデルとロボティクス分野に事業領域を広げる考えだ。ワールドモデルは、現実世界の物理法則を再現・予測するAIモデルを指す。
Moonvalleyの共同創業者であるマテウシ・マリノフスキ氏とミク・ビンコフスキ氏は、いずれもGoogle DeepMind出身の研究者。Googleの動画生成AIモデル「Veo 2」の前身となるモデル開発にも関わった。
The Informationは今回の取引について、AIモデル開発スタートアップを取り巻く環境の厳しさを示す事例の一つだと指摘した。AIモデルの開発には多額のコストがかかるうえ、必要な計算資源の確保も難しくなっている。動画・画像生成のようなニッチ分野のスタートアップは著作権問題にも直面しており、単独での存続は容易ではないとしている。