韓国株式市場は今週、米国の物価指標や米中首脳会談をにらみながら、上昇基調を維持できるかが焦点となる。KOSPIは7500近辺まで上昇し、過去最高値圏で推移している。半導体主導の業績モメンタムが相場を支える一方、短期的な過熱感との綱引きも強まっている。
韓国取引所によると、前週のKOSPIは13.5%上昇した。半導体セクターは24%超の急伸。一方、KOSDAQの上昇率は0.6%にとどまり、大型グロース株に資金が集中する展開が続いた。
市場で最大の材料とみられているのが、米国の4月消費者物価指数(CPI)だ。発表は12日(現地時間)。13日には4月の生産者物価指数(PPI)、14日には4月の輸入物価指数と小売売上高の公表が予定されている。物価指標が市場予想を上回れば、長期金利を中心に上昇圧力が強まる可能性がある。
米連邦準備制度理事会(FRB)関係者は足元で、政策金利の据え置きを基本シナリオとしつつ、インフレ再燃には警戒感を示している。原油や商品市況の上昇が生活関連物価に波及すれば、利下げ期待が後退し、グロース株の値動きが荒くなる恐れがある。
韓国でも物価と金利への警戒はくすぶる。4月の消費者物価は原油高の影響で前年同月比2.6%上昇した。韓国銀行内では利下げではなく利上げの可能性に言及する発言も出ており、国債利回りは上昇した。新総裁の初の金融通貨委員会までは、タカ派的な警戒感が残る可能性がある。
もう一つの焦点は、14〜15日に中国・北京で開かれる米中首脳会談だ。市場では、今回の会談が米中の構造対立を一気に解消するとの見方は乏しい。貿易、サプライチェーン、先端半導体製造装置、レアアース、エネルギー安全保障といった主要論点を調整する場になるとの見方が大勢だ。
15日には、米機関投資家の保有状況を示す13Fの提出期限も迎える。大手運用会社によるテクノロジー株、エネルギー株、金融株、上場投資信託(ETF)の保有比率の変化が確認されれば、グローバルな資金フローを見極める手掛かりとなりそうだ。
韓国株の中心は引き続き半導体だ。Samsung ElectronicsとSK hynixの業績見通しは急速に上方修正されており、KOSPIの12カ月先行1株利益(EPS)は5月7日時点で977.8ポイントまで上昇した。
7000台乗せ後も、KOSPIの12カ月先行株価収益率(PER)は7.6倍にとどまるとの分析がある。市場では、バリュエーションの正常化だけでもなお上値余地があるとの見方が出ている。先行PERが8倍ならKOSPIは7800近辺、9倍なら8800まで試算される。ただし、半導体の利益見通しが維持され、外国人投資家の需給が崩れないことが前提となる。
実際、足元の韓国株上昇は半導体への依存度が高い。韓国株の時価総額は4兆5300億ドル規模となり、世界7位水準まで拡大したが、寄与の中心はSamsung ElectronicsやSK hynixなどAI半導体関連株だった。2銘柄の合算時価総額は、韓国株全体の半分近い比率を占める。
その半面、物色集中の反動リスクも高まっている。7日には外国人投資家が1日で約7兆2000億ウォンを売り越し、過去最大の日次純売越額を記録した。5月最初の2営業日で6兆ウォン超を買い越していたことを踏まえると、市場規模の拡大とともに需給の振れも大きくなっている。
バリュエーションの過熱を警戒する声もある。国内総生産(GDP)に対する時価総額比率を示すバフェット指数は、韓国に加え、米国、日本、台湾など主要市場で歴史的高水準にある。
世界の株式市場でも、上昇が少数の半導体・AI関連銘柄に集中しているとの懸念は根強い。一部銘柄頼みの上昇となれば、指数高の持続力に対する不安が強まりやすい。
このため今週の韓国株は、半導体主導の相場が続くかに加え、物色の裾野が広がるかも重要なポイントとなる。物価指標が落ち着いた内容となり、米国とイランの協議進展で原油相場が安定すれば、金利負担が和らぎ、これまで出遅れていたグロース株にも見直し余地が広がる可能性がある。
一方、米CPIやPPIが市場予想を上回る、あるいは米中首脳会談で対立材料が改めて意識されれば、短期的な利益確定売りが強まる可能性がある。KOSPIは短期間で急騰しただけに、目先は指数そのものより、業種別の利益改善の広がりと需給の持続性を見極める展開となりそうだ。
Daishin Securitiesの研究員は「半導体主導の急ピッチな利益成長と、それに基づくバリュエーション正常化の局面が進んでいる」と指摘した。その上で「短期的な変動は織り込む必要があるが、KOSPIはバリュエーション正常化だけでも8000台後半まで上昇余地がある」と述べた。
さらに、「急騰局面を追いかけるよりも、短期的な上下動を活用して組み入れ比率を高める戦略が有効だ」との見方を示した。