Moody'sのロゴ(写真=Moody's)

Moody'sが、ステーブルコインを対象とする信用格付けの導入に向けた検討を進めている。準備金資産の質や市場変動への耐性に加え、流動性ミスマッチ、法的請求権の執行可能性、サイバーリスクなども評価対象とする方針だ。

Nikkei Asiaの最近の報道によると、Moody'sのデジタル・エコノミー部門グローバル責任者、ファビアン・アスティック氏は、ステーブルコインの格付けはデジタル金融技術の普及が現実のものとなりつつあることを映し出していると述べた。

同氏は、過去数年は供給と需要の間にギャップがあったと説明した。ステーブルコインの発行体は市場投入の準備を整えていた一方、投資家は暗号資産を巡る混乱を背景に慎重姿勢を崩してこなかったという。

ステーブルコイン市場の時価総額は2025年に約3000億ドル(約45兆円)となり、1年前の約2倍に拡大した。

Moody'sは3月、ステーブルコインの信用格付けに関する評価手法を公表している。トークンを裏付ける準備金資産の質、市場変動へのエクスポージャー、ストレス時の耐性を評価するほか、流動性ミスマッチ、業務面およびカウンターパーティーリスク、法的請求権の執行可能性、ブロックチェーン基盤技術やサイバーセキュリティに関するリスクも対象に含める。

アスティック氏はまた、「ステーブルコイン」という名称自体が誤解を招きかねないと警鐘を鳴らした。中央銀行マネーと異なり、ステーブルコインは信用リスクを内包しており、その価値は発行体が償還の約束を履行できるかどうかに左右されると指摘した。

そのうえで同氏は、「同じ債券でも、決済に使うステーブルコインが異なれば、信用面でどちらがより脆弱かを投資家は把握する必要がある」と述べた。

アジア市場については、フィリピンのように海外送金への依存度が高い国で、ステーブルコイン活用の余地が大きいとの見方を示した。

一方で、規制の不確実性やシステム間の相互運用性の不足は、なお課題として残る。同氏は「ステーブルコインが大規模に普及するには信頼が欠かせず、信用格付けはその役割を担いうる」と語った。

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