XRPは機関投資家の参入拡大やETF関連商品の広がりを背景に再び注目を集めている。ただ、少額投資だけで2026年内に100万ドル(約1億5000万円)規模の資産を築くのは現実的ではないとの見方が強まっている。すでに時価総額の大きい主要暗号資産となっており、初期のアルトコイン市場で見られたような短期間での急騰は起きにくいというのが大方の見立てだ。
BeInCryptoによると、7日時点のXRP価格は1.41ドル前後。時価総額は約870億ドル(約13兆500億円)、流通量は618億枚を超える。この規模を踏まえると、小型暗号資産のように数カ月で100倍に跳ね上がる値動きを見込むのは難しいと指摘している。
そのため、市場の関心も「どこまで上がるか」から「100万ドルに届くには、いまどれだけ保有する必要があるか」へ移りつつある。現在の価格水準を前提にすれば、1万ドル(約150万円)未満の元手で短期間に目標を達成するには、XRPが20ドル、場合によっては50ドル超まで上昇する必要がある計算になる。
もっとも、こうした水準は主要金融機関や分析プラットフォーム、AIモデルが示す中心レンジには入っていない。
一方、需給面で追い風とみられているのが機関マネーの流入だ。2026年に入ってからの最初の19週間では、ETF関連の資金フローが13週で純流入となり、年初来の累計流入額は約1億5700万ドル(約235億5000万円)に達した。SoSoValueのデータでは、運用資産残高は約38億7000万ドル(約5805億円)とされる。
関連商品も増えている。CoinbaseはXRP先物の取り扱いを開始し、GraniteSharesはNasdaqで3倍レバレッジ型のXRP ETFを投入するとした。Rippleも金融インフラや国際送金分野で提携を広げている。
こうした動きは、XRPが伝統金融の枠組みに取り込まれていくとの期待を高める材料になっている。
ただ、金融商品化の進展がそのまま価格の急騰を意味するわけではない。Standard Charteredは2026年末のXRP価格を2.8ドルと予想。The Motley Foolは、むしろ1ドル近辺まで下落する可能性にも触れている。
AIモデルの見方も総じて慎重だ。ChatGPTは年末時点の中立シナリオとして2.15ドル前後を想定し、GrokはETFの成長次第で2~3.5ドルのレンジを示した。AnthropicのClaudeも、利下げなど追い風となる環境が整った場合でも3.15ドル前後にとどまるとの見方を示している。
BeInCryptoは、XRPが5ドルを超えるには、足元を大きく上回る資金流入と例外的に強い市場環境が必要だと分析した。現在の時価総額や流通構造を踏まえると、急激な再評価を正当化するのは難しいという。
結局のところ、XRP投資はかつてのような短期の一攫千金狙いというより、長期保有を前提とした資産形成に近づいている。ETF関連商品や規制下の金融商品の拡大が続けば、緩やかな上昇余地はなお残る。ただ、限られた資金で新規参入した投資家が1年で100万ドルを築くシナリオは、現実味に乏しい。
恩恵を受けやすいのは、低い取得単価で積み上げてきた既存保有者だ。今後の上昇局面でも、新たな短期成金の誕生より、長期にわたり大量保有してきた投資家に有利に働く可能性が高いとの見方が広がっている。