Dinoticiaは5月8日、ソウルのCOEXで開催された「AI EXPO KOREA 2026」で、企業向けAIエージェント基盤「Seahorse Cloud」を公開した。金融業務の実運用を想定し、導入から活用までの流れをライブデモで紹介した。
Seahorse Cloudは、企業が生成AIを業務に導入する際に生じやすい課題の解消を狙ったプラットフォームだ。文書をアップロードすると、AIが内容を意味単位で分割し、ベクトル化して蓄積する。自然言語で問い合わせると、関連情報を検索して回答を返す仕組みを備える。
社内データを根拠として活用するRAG(検索拡張生成)により、ハルシネーションの抑制を図る。さらに、検索結果をもとにMCP(Model Context Protocol)標準で外部システムと連携し、後続の業務処理まで担うAIエージェントとして活用できるとしている。
高い正確性が求められる金融、防衛、公共分野向けには、オントロジー基盤の知識グラフとRAGを組み合わせた構成を採用した。オントロジーによって文書、規定、業務データの関係性を反映し、検索精度の向上と判断根拠の整理につなげるという。
同社は、企業内の文書やデータを単なる保存対象ではなく、AIが活用できる知識資産として管理できる点を特徴に挙げる。
会場では、PDFや表、スキャン文書などの非構造化文書を自動でベクトル化し、自然言語の問い合わせに応じて文書を検索する流れを実演した。あわせて、エージェントがMCP経由で機能を呼び出し、結果を処理する一連のプロセスも紹介した。
特に、判断根拠の提示や監査対応が重要となる融資審査を想定し、検索結果と実行ログがどのように記録されるかまでデモした。
Seahorse Cloudは、SaaSとオンプレミスの両形態に対応する。複数組織がそれぞれ独立して利用できるよう設計した。提供環境はAmazon Web Services(AWS)であり、別途インフラを構築せず、公式サイトから利用を開始できるとしている。
チョン・ムギョン代表は「企業AIの競争力は、蓄積されたデータの意味と関係をどれだけ正確に理解し、活用できるかにかかっている」と述べた。そのうえで、「高度な文書解析と意味ベースの検索に加え、ドメインオントロジー基盤の知識グラフを組み合わせることで、企業の情報資産をより深く活用できるSeahorse Cloudを提供している」と語った。