Ripple、JPMorgan、Mastercard、Ondo Financeは、XRP Ledger(XRPL)と既存の銀行決済インフラを連携させた実証取引を完了した。トークン化した米国債の償還と米ドル決済を別々の基盤上で処理しながら、一連の取引として完結できることを示した。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが7日(現地時間)に報じた。今回の実証は、トークン化金融資産の決済において、ブロックチェーンと従来の金融ネットワークを組み合わせた運用が可能であることを示す事例と位置付けられている。
Ondo Financeによると、取引は3段階で実施された。まず、Ondo FinanceがXRPL上でOUSGの償還を実行。次に、MastercardのMulti-Token Networkが決済指示をJPMorganのKinexysに送った。最後にKinexysが既存の銀行システムを通じ、Rippleのシンガポール銀行口座へ米ドル資金を送金した。
今回の実証についてOndo Financeは、トークン化米国債の決済モデルにおける重要な前進だと評価した。トークン化された国債関連資産について、国境をまたぐ取引をほぼリアルタイムで処理し、銀行営業時間外にも対応できる可能性を示したとしている。
Rippleも、この取り組みを「24時間365日のグローバル金融市場」に向けた前進だと説明した。XRPLと世界の銀行インフラを接続することで、機関投資家が将来的にクロスボーダー取引を単一のワークフローで処理できる可能性が見えてきたと強調している。
今回の枠組みでは、資産の償還をブロックチェーン側で担い、法定通貨の決済は既存の決済網で処理した。銀行システムを全面的に置き換えるのではなく、既存インフラを生かしながらブロックチェーンによる決済効率の向上を図るというRippleの従来方針を改めて示した形だ。実際に、XRPLはトークン化資産の償還を担うブロックチェーン基盤として機能し、米ドル送金は従来の金融インフラ上で行われた。
市場では、この実証をXRPLの機関投資家向けユースケースを示す事例として受け止める見方も出ている。XRPLのdUNLバリデーターであるベットは、Ondo Finance、Mastercard、JPMorganが参加したこと自体が、大手金融機関がXRPLのクロスボーダー決済や銀行インフラとの接続に実用性を見いだしている証左だと述べた。
またベットは、XRPを巡る一部の懸念にも反論した。デイビッド・シュワルツ氏が保有するXRPの大半を売却したと明かしたことを受け、一部投資家の間では同氏がXRPへの信頼を失ったのではないかとの見方が広がっていた。これに対しベットは、今回の実証こそ、機関投資家が今後もXRPエコシステムに関与する可能性の高さを示していると主張した。大手金融機関は、実際の取引や決済上の課題を解決できる技術を採用し続けるものであり、ストーリー先行の議論や投機的な論争はいずれ後退するとの見方を示した。
今回の取引は、暗号資産インフラと従来の金融インフラが競合するのではなく、相互接続へ向かっている点でも注目される。トークン化資産の償還、決済指示の伝達、米ドル送金を分離しながらも一つの取引フローとしてつないだことで、機関投資家向けのトークン化資産決済モデルの方向性を示したためだ。今後は、こうした構造が実際の商用決済フローへ拡大するか、またXRPLが機関間のクロスボーダー決済でどこまで役割を広げるかが焦点となりそうだ。