ビットコイン(BTC)が2030年までに100万ドル(約1億5000万円)へ到達するかを巡り、市場の見方が分かれている。VanEckは長期的な上昇余地に強気な見方を示す一方、予測市場では2030年までの到達確率は9%にとどまるとみるなど、慎重な織り込みが目立つ。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが7日(現地時間)に報じたところによると、VanEckでデジタル資産リサーチ責任者を務めるマシュー・シーゲル氏は、CNBCのインタビューで「今後数年以内にビットコインが100万ドルに達し得る」との見方を示した。
シーゲル氏は、ビットコインの普及をビデオゲーム産業の成長過程になぞらえた。かつては特定の世代の趣味とみなされていたビデオゲームが全世代に広がったように、ビットコインも既存の金融システムに深く組み込まれつつある、という説明だ。
同氏は、中央銀行が準備資産の一部としてビットコインを組み入れ始めている点を挙げ、制度金融側の受容拡大を示す兆候だと評価した。
VanEckの長期見通しも強気だ。同社は基本シナリオとして、ビットコインが2050年に約290万ドル(約4億3500万円)まで上昇する可能性があるとみている。
同様の強気見通しは、ウォール街や暗号資産業界でも出ている。Bernsteinのほか、Bitwiseの最高投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏、エリック・トランプ氏、キャシー・ウッド氏らが代表例に挙げられる。
なかでもARK Investは、2030年のビットコイン目標価格について、基本シナリオで71万ドル(約1億650万円)、強気シナリオで150万ドル(約2億2500万円)を示したことがある。
もっとも、足元の価格水準から見れば上昇余地は大きい。シーゲル氏の発言時点で、ビットコインは約8万ドル(約1200万円)で取引されていた。100万ドルに達するには、現在値から約12倍の上昇が必要になる。
これに対し、予測市場の見方はより慎重だ。予測市場プラットフォームのManifoldでは、トレーダーがビットコインが2040年代に100万ドルを突破する可能性を約27%とみていた一方、2030年までの到達確率は9%にとどまった。
別の予測市場プラットフォームPolymarketでは、ビットコインが2026年内に100万ドルを突破する確率は2%にとどまった。一方で、短期的に9万ドル(約1350万円)まで上昇する可能性は約69%と、より高く見積もられていた。
予測市場そのものの存在感も高まっている。Kalshiは最近のシリーズF資金調達ラウンドで約10億ドル(約1500億円)を調達し、企業価値は約220億ドルと評価された。機関投資家の取引量も直近6カ月で800%増加したと伝えられている。
シーゲル氏自身も、ビットコインの上昇が一直線には進まないと認めている。同氏はビットコインを「非常に循環的な資産」と位置付け、価格は直線的に上昇するものではないと述べた。
さらに、ビットコインには救済の仕組みがないため、道中で大幅な調整や循環的な局面が繰り返される可能性があると説明した。
一方で、懐疑的な見方もある。レイ・ダリオ氏は、ビットコインが世界的な準備資産として定着するには規制面の障壁があり得ると指摘。金の強気派として知られるピーター・シフ氏も、ビットコインが伝統的な安全資産に取って代わるのは難しいと主張している。
ビットコインの100万ドル到達時期を巡る議論は、今後も続きそうだ。機関投資家や長期強気派が制度金融への浸透や供給制約を根拠に上値余地を訴える一方、予測市場は高いボラティリティと長い時間軸をなお慎重に織り込んでいる。