Rippleのデイビッド・シュワーツ元最高技術責任者(CTO)は7日、XRPの将来性について強気な見方を公の場で積極的に発信することには慎重だと明らかにした。自身の発言が私益目的、あるいは相場操縦と受け取られる可能性があるためだという。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」によると、シュワーツ氏は「私の発言が自己利益のためと見られたり、市場操作と解釈されたりする可能性がある」と述べた。
今回の発言は、コミュニティ参加者からXRPの長期見通しについて前向きな発信を求められたことを受けたものだ。XRPに強気な見方を持つ可能性はあるとしつつも、それを自ら積極的に対外発信することとは別だとして、一定の距離を置く考えを示した。
議論は同氏の投資スタンスにも及んだ。暗号資産については、依然として「一世代に一度の機会」になり得るとの見方を示す一方、極端な財務リスクを取る投資手法にはなじまないと説明した。いわゆる「ダイヤモンドハンド」を誇る投資家とは異なり、自身はより慎重な立場だという。
その上で、自らを「大きな機会を逃す可能性を受け入れる、慎重で合理的な投資家だ」と表現し、「それでも構わない」と語った。
過度なリスクを避けた結果、より大きな資産形成の機会を逃した可能性があるとも振り返った。一方で、自身の暗号資産投資のうち相応の割合は成功していたとも述べており、初期から市場に参加しながらも、積極的な賭けより保守的な判断を優先してきた姿勢がうかがえる。
関連して、過去にイーサリアムを約1.05ドルで売却した判断にも言及した。XRPコミュニティ関係者のダイアナ氏は、将来イーサリアムが数千ドルに達する可能性をある程度高く見ていたなら、売却しなかったはずだと指摘。これに対しシュワーツ氏は、当時はその価格帯に到達する確率が、保有を正当化できるほど高いとは考えていなかったと説明した。
同氏は同じ論理で、XRPの長期的な価格見通しについても慎重な姿勢を示した。大口投資家がXRPは将来1万ドル(約150万円)に達する現実的可能性があると本気で信じるなら、なぜ積極的に買い増さないのかと疑問を呈したという。富裕層投資家が10年以内にその水準へ到達する可能性を1%でも真剣に織り込んでいるなら、現在の価格はもっと高くなっていたはずだとの見方を示した。
あわせて、自身の保有状況も明らかにした。X(旧Twitter)利用者のトム・トマン氏から、現在もXRPを保有しているか問われると、今は多額の暗号資産を保有していないと回答した。「Ripple株を除けば、資産の大半は暗号資産ではない」とした上で、過去にはXRPを2600万枚、ビットコインを1000枚超、イーサリアムを4万枚保有していたものの、現在はビットコインが1枚未満、イーサリアムは2枚未満だと述べた。
ただ、XRPをすべて手放したわけではない。自身がいう「多くない」XRPでも100万枚超を保有していると明かしており、絶対額では小さくないものの、過去の保有量と比べれば大きく減らした格好だ。
シュワーツ氏は、ここ数年にわたって保有資産の一部を売却してきた判断についても正当性を主張した。投資家に他人のために資産を無期限で持ち続ける義務はなく、自らの経済的利益を優先するのは当然だと訴えた。
その上で、「誰もが私と同じようにXRPを売買する機会があった。売ることが買うことより道徳的に劣るという考えは、完全に間違っている」と述べた。いつ買い、いつ売るかを自分で決められる自由こそ、初期のビットコインコミュニティに引かれた理由の一つだったとも付け加えた。
今回の一連の発言は、XRPそのものへの強気見通しを打ち出したものというより、市場への影響力が大きい人物が、公的な発言と個人の投資判断の間にどのように線を引くべきかという考え方を示したものといえそうだ。