画像=Reve AI

Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は、暗号資産業界の本来の役割は大手金融機関を利することではなく、個人が金融主権を取り戻し、デジタルIDを自ら管理できる環境を整えることにあると訴えた。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、同氏は7日(現地時間)にイベント「Consensus 2026」の基調講演で、自律性と分散性、そして個人主導のブロックチェーンインフラの重要性を強調した。

講演では、暗号資産業界が何のために存在するのかを改めて明確にすべきだと指摘。2008年の金融危機を引き起こした既存金融をさらに肥大化させることが、業界の目的であってはならないとの考えを示した。

そのうえで、利用者が自ら資産を管理し、ウォレットを保有し、身元情報やデジタルIDを自分でコントロールできる状態の実現を優先すべきだと述べた。暗号資産の焦点は機関投資家の受容拡大そのものではなく、利用者の主導権を強めることにあると強調した。

また、Cardanoを率いる立場にありながら、特定チェーン偏重の姿勢は否定した。変化がXRP LedgerやSolana、Bitcoinネットワークのいずれから生まれるかは重要ではなく、ブロックチェーン間の対立をあおるより、エコシステム同士をつなぐ仕組みの構築に注力すべきだと呼び掛けた。

こうした発言は、同氏が従来から訴えてきた相互運用性重視の路線とも重なる。ホスキンソン氏は2024年末、RippleとStellarとの協力関係構築を模索していた。

CardanoのパートナーチェーンであるMidnightも、BitcoinとXRPを含む7つのブロックチェーンの利用者にトークンの一部を配布した。特定陣営に依存するのではなく、チェーン間連携の拡大を重視する動きといえる。

ホスキンソン氏はさらに、業界がここ数年にわたり規制圧力や懐疑論、市場低迷を乗り越えてきた点にも言及した。講演では「厳しい時期だったが、暗号資産業界はまだ健在だ。我々は死んでいないし、刑務所にも入っていない。大統領もこれを気に入っている」と語ったという。

伝統金融の姿勢の変化も、その一例として挙げた。過去にはJPモルガンが暗号資産関連とみなされた口座を閉鎖したことがあったとしたうえで、現在はブロックチェーン関連商品を提供し、富裕層顧客に暗号資産へのエクスポージャーを提供する方向へ転換したと指摘した。JPモルガンは独自のプライベートブロックチェーンネットワークとステーブルコインも運用しているという。

同氏は、こうした変化は暗号資産業界の前進を示すものだと評価し、JPモルガンの方針転換について「業界が何かを正しくやっている証拠だ」と述べた。

制度圏での受容が広がるなかでも、暗号資産が目指すべきなのは大手金融機関への取り込みではなく、利用者自身が資産とデジタルIDを管理できる構造の実現だというのが、ホスキンソン氏の一貫した主張だ。

キーワード

#暗号資産 #Cardano #ADA #相互運用性 #金融主権 #JPモルガン
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.