写真=Hyundai Motor

Hyundai Motorが、ボディ・オン・フレーム車向けEV用バッテリーパック搭載構造の特許を米国で公開した。北米の中型電動ピックアップ市場を見据え、悪路走破性とバッテリー保護、室内空間の確保を両立する設計が柱となる。

電気自動車メディアのElectrekが7日に報じたところによると、Hyundai Motorは米国特許商標庁(USPTO)で「車両用バッテリーパック装着構造」に関する特許を公開した。対象は、ボディ・オン・フレーム方式の車両に最適化したEV向けのバッテリー搭載レイアウトだ。

特許の中核は、バッテリーを車体フレーム内に組み込む構造にある。左右のサイドメンバーで構成するフレームの内側にバッテリーを収め、外側を独立したバッテリーケースで保護する設計を採用した。

これにより、高い地上高を確保しながら重心を下げることが可能になるとみられる。悪路走行を想定するピックアップやオフロード車に求められる走破性と、EVとしての走行安定性の両立を狙った構成といえそうだ。

一般に、ボディ・オン・フレーム車は耐久性や牽引性能に優れ、ピックアップトラックやオフロード車で広く採用されている。一方、EVでは大型バッテリーの搭載効率が低下しやすいことが課題とされてきた。

今回の特許では、フレームとバッテリーを一体的に設計することで、車体剛性と走行安定性の向上に加え、悪路でのバッテリー保護性能も高める方向性が示された。

特許の説明には、室内空間の損失を抑えるための設計も盛り込まれている。電動ピックアップ市場では、荷室スペースと乗員空間の確保が競争力を左右する要素になっており、それを意識した構成とみられる。

業界では、この特許がHyundai Motorの次世代中型ピックアップ計画と関係しているとの見方が出ている。Hyundai Motorは最近、北米市場向けに本格的なボディ・オン・フレーム型ピックアップを投入する方針を明らかにしている。

Hyundai Motor北米法人CEOのランディ・パーカー氏は先月のニューヨーク・オートショーで、「ボディ・オン・フレームに移行すれば、既存のSanta Cruzよりはるかに広い領域に入る」と述べた。現行のHyundai Santa Cruzが乗用車ベースのライフスタイル・ピックアップに近いのに対し、次期モデルはより本格的なオフロード市場を狙う考えを示したものだ。

Hyundai Motorは同イベントで、オフロードコンセプトSUV「Hyundai Boulder Concept」も披露した。37インチのマッドテレーンタイヤ、高い最低地上高、ルーフラック、牽引フックなどを備えるとしている。

Hyundai Motor・Genesisグローバルデザインセンター長のイ・サンヨプ氏は同車について、「オフロードライフスタイルを求める顧客のための四輪のラブレター」と表現した。

今後は、このボディ・オン・フレームのプラットフォームを、純電気自動車に加えてハイブリッド車、内燃機関車、航続距離延長型電気自動車(EREV)にも対応可能な構造として開発する可能性もあるとみられている。電動化の進展速度や市場需要の変化に柔軟に対応する戦略との見方がある。

生産については、米国内での現地化が軸となる見通しだ。Hyundai Motorは、米ルイジアナ州で建設中の約58億ドル規模の製鉄所の鋼板を活用し、当該ピックアップを米国で生産する案を進めているという。生産拠点としては、Hyundai Motor Group Metaplant America(HMGMA)などが候補に挙がっている。

もっとも、バッテリー容量や駆動系の仕様は現時点で明らかにされていない。Hyundai Motorは、発売時期が近づいた段階で追加情報を公表する見通しだ。

この中型ボディ・オン・フレームピックアップは、Hyundai Motorが2030年までに北米市場へ投入するとした新車36車種の1つに位置付けられる。今後公表される詳細スペックやプラットフォーム構成、生産地の確定が、米国ピックアップ市場での戦略を占う材料となりそうだ。

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