画像=21shares USのX投稿より

資産運用会社の21sharesは8日、Canton Networkのネイティブトークン「Canton Coin(CC)」に連動する米国初の現物ETF「21shares Canton Network ETF」をNASDAQに上場した。ティッカーは「TCAN」。総報酬は年0.50%で、米国の投資家に対し、規制に準拠した形でCanton Networkのエコシステムにアクセスできる投資手段を提供する。

暗号資産メディアのCoinpostによると、同ETFはCanton Coinへのエクスポージャーを確保できる商品として設計された。21sharesは、機関投資家向け水準の商品性を備えた投資手段だとしている。

今回の上場は、新たな暗号資産ETFの追加にとどまらないとの見方もある。Canton Networkは、分断された既存の金融システム間でも、データや資産を安全に同期しながら厳格な規制順守要件に対応できるよう設計されたブロックチェーン基盤だ。21sharesは、プライバシー保護を重視した同ネットワークのエコシステムに直接投資する機会を提供すると説明している。

Canton Networkを巡っては、Goldman Sachs、Microsoft、Deutsche Bankなどが参加するコンソーシアムの支援を受けている点も材料視されている。21shares自身もネットワークのバリデーターとして運営に関与している。さらに、NASDAQ、Moody’s、Deloitteも共通のブロックチェーン基盤としてCanton Networkを支持しているという。

市場では、Canton Networkが伝統的な金融システムとブロックチェーンをつなぐインフラとして存在感を高めていることに注目が集まっている。ユーティリティトークンであるCanton Coinを裏付け資産とするETFが米国市場に上場したことで、機関投資家と個人投資家の双方にとってアクセスしやすい規制対応型の商品が加わったためだ。

実際、決済分野での採用も進む。Visaは4月、ステーブルコイン決済のパイロットプログラムで対応するブロックチェーンを拡大する中、Canton Networkを新たに追加したと発表した。Visaのステーブルコイン決済処理額は年換算で70億ドルに上るとされ、Canton Networkの活用範囲が広がっていることを示している。

こうした動きを踏まえると、TCANの上場は、金融特化型ブロックチェーン基盤への投資需要と、規制対応型商品の組成が重なった事例といえそうだ。Canton Networkは資本市場向けのプライバシー保護インフラを志向してきた経緯があり、今後は金融機関の参加拡大や、決済・資産同期分野での活用拡大が焦点となる。

一方で、Canton Coinが今後どこまで流動性と用途を広げられるかはなお見極めが必要だ。ETF上場は投資家のアクセス向上につながる一方、商品としての中長期的な魅力は、Canton Network上で処理される取引規模や機関投資家の参加拡大に左右される。市場では、TCANへの初期資金流入の規模とあわせ、Canton Networkの実利用指標の伸びが注目されそうだ。

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