Googleは、Fitbitアプリを「Google Health」に刷新し、健康管理サービスを一本化する。新アプリでは、Fitbitに加えてGoogle FitとHealth Connectの機能も集約する。既存の健康データは維持され、医療記録の共有機能やGeminiベースのAIコーチ機能も強化する。
TechRadarが5月7日(現地時間)に報じた。今回の刷新では、GoogleがFitbitブランドをGoogle Healthの枠組みに統合し、買収後に分散していた健康関連サービスの再編を進める。
移行対象は無料ユーザーとPremiumユーザーの両方。アップデート後はロゴや画面構成が変わるが、保存済みデータは引き継がれる。Fitbitデバイスを含む既存の連携機器でも、引き続き健康データを記録できる。
Google Healthは、Apple HealthやPeloton、Lingoなどの連続血糖測定デバイスを含む、数百のアプリやデバイスに対応する。Androidスマートフォン以外でも利用できる。
新アプリの画面は、「Today」「Fitness」「Sleep」「Health」の4つのタブを中心に再構成した。Googleは、健康やウェルビーイングの状況をより見やすく把握できる設計だとしている。
機能面では、医療記録をアプリ内に保存し、データの書き出しや共有を支援する機能を追加した。医師や医療機関と共有できる「Smart Health」のQRコードベースのレポートも作成できる。
プライバシー面では、Fitbit買収時の方針を改めて確認した。Googleは、健康データをGoogle広告のデータと分離して取り扱うとしている。この措置は、2020年に欧州委員会と交わした合意に基づき、少なくとも10年間は法的拘束力を持つ。
有料サービスは、AIコーチ機能を中心に据える。Google Health Premiumでは、Geminiベースの「Google Health Coach」を提供する。
Googleによると、同機能は科学的に検証されたコーチングやフィットネスの枠組みに基づいて設計されており、開発段階では専門家の助言団がフィードバックや指針を提供したという。
Google Health Coachは、ユーザーデータを基に健康やウェルネスに関する質問に答えるほか、利用状況や成果に応じて毎週更新される運動計画を提示する。レシピや栄養アドバイス、けがに関する質問への回答、睡眠分析にも対応する。
Googleはこの機能について、必要な時に専門的な助言を受けられる仕組みだと説明している。個々の健康指標や目標、日常生活の条件に合わせて継続的に最適化される設計としている。
栄養管理機能も強化する。ユーザーはカロリー目標を設定し、食事の写真を投稿して摂取カロリーや主要栄養素を推定できる。手動入力にも対応する。
こうした機能は、減量や体重維持、増量を目指すユーザーの利用を想定しているとみられる。
料金は月額9.99ドル、年額99ドル。無料プランも維持するが、AIベースのインサイト機能はPremiumに含まれる。
新たに公開した「Google Fitbit Air」には、Premiumを3カ月利用できる特典を付ける。現行世代のFitbit製品で提供している6カ月分と比べると、付与期間は短くなる。
既存のFitbit Premium加入者は、レシピや運動コンテンツ、Fitbitの専門トレーナーによるライブラリを引き続き利用できる。一方で、従来のFitbitのグループチャレンジ機能やコミュニティ機能は、当面復活しない可能性が高い。
今回の刷新により、GoogleはFitbit買収後に分散していた健康アプリや関連サービスをGoogle Healthに集約し、AIコーチを中核とする構成へと改める。既存のFitbitユーザーにとっては、ブランドとアプリ体験の両面で大きな節目となりそうだ。