Upbitから約630万XRPが単一アドレスに移された後、Binanceなど複数の取引所アドレスへ分散送金されていたことが分かった。市場では当初、クジラ投資家による大規模な買い集めとの見方も出ていたが、その後の資金フローからは、取引所間の資金再配置に近いとの分析が出ている。
ブロックチェーン系メディアのThe Crypto Basicが6日付で報じたところによると、今回の移動規模は当時のレートで約880万ドルに相当する。オンチェーンデータプラットフォームのBithompでは、取引は5日午後1時23分ごろに発生し、アドレス「r3bqvUf」がUpbitから630万XRPを受け取ったと表示された。Bithompはこのアドレスを「未確認」に分類している。
大口のXRPが取引所外に移されたことで、Upbit内の流通量は一時的に減少した。一般に、取引所外ウォレットへの移動は長期保有を前提とした蓄積と受け止められることが多い。だが今回は、その後の資金移動が短時間で分散しており、単純な買い集めとは異なる様相を示した。
現時点でこのウォレットに残る残高は約11万9800XRPにとどまる。630万XRPの受領直後から、複数アドレスへの連続送金が続いたためだ。
追加のオンチェーンデータでは、受け取ったXRPが広範囲に分散されたことも確認された。送金先にはBinance、Bybit、Bitget、Gate.ioなど主要取引所のアドレスが含まれていた。一部は保有者不明の外部ウォレットにも移されたという。
こうした動きから、市場では当該アドレスが実質的な保管先ではなく、資金の中継先として機能した可能性が高いとの見方が出ている。The Crypto Basicは、単なる「funnel」として機能した可能性を指摘しており、特定主体が資産を一つのアドレスに集約した後、複数の宛先に再配分した構図を示唆している。
アドレスの出所にも関心が集まっている。XRPScanによると、当該アドレスは「rEdP7w」アカウントによって有効化された。このアカウントは、過去に経営破綻した暗号資産取引所Bittrexと関連するとされる。Bittrexは2023年の破産申請前までXRP取引を提供していた。
このため市場の一部では、今回の移動は新規のクジラによる蓄積ではなく、取引所が保有資産を内部で組み替える過程だった可能性も指摘されている。ただ、現時点で明確な保有構造は確認されておらず、関連分析は推定の域を出ていない。
市場は取引のタイミングにも注目している。今回の大口移動はXRP価格の反発局面と重なった。XRPは直近24時間で約1.95%上昇し、週間でも3%台の上昇率となった。価格は約1.43ドルで、2月の安値から約27%高い水準にある。
もっとも、反発力ではビットコインに及ばないとの見方もある。資金が大型アルトコインに循環するというより、ビットコインにとどまる流れも確認された。その一方で、一部のテクニカル分析ではXRPのボリンジャーバンドの幅が数年ぶりの低水準まで縮小したとされ、今後のボラティリティ拡大に注目が集まっている。
今回の630万XRPの移動は、単なる取引所からの出金ではなく、複数の取引所と外部ウォレットをまたぐ複合的な資金移動だった可能性が高い。市場では、最終的な送金先や追加の移動の有無を通じて、実際の意図を見極めようとする動きが続いている。