OpenAI。写真=Shutterstock

OpenAIがBroadcomと進める自社AIチップ計画で、約180億ドルに上る初期資金の確保が難航していることが分かった。AIインフラ投資競争が過熱するなか、超大型プロジェクトを支える資金調達の難しさが改めて浮き彫りになっている。

BeInCryptoが7日(現地時間)に報じたところによると、資金不足はOpenAIの自社チップ戦略の初期段階で表面化した。OpenAIはNVIDIAへの依存を下げる狙いから独自のAIアクセラレーター開発を進めており、Broadcomが中核パートナーとして加わっている。

この計画は、数年かけて総計10ギガワット(GW)規模のAIアクセラレーター向けインフラを整備する構想の一部とされる。両社は2025年10月、チップ、ネットワーク、電力、データセンター容量の確保を含む総額約5000億ドル規模のハードウェア拡張計画を公表していた。業界では、AI分野で最大級のインフラ投資案件の一つとみられてきた。

一方で、投資計画の膨張に対し、資金手当てが追いついていないことが課題となっている。BeInCryptoは今回の動きを、「AIインフラ案件の規模が、それを支え得る金融市場の許容度を上回った新たな例だ」と分析した。

OpenAIの財務負担も重くなっている。売上高は拡大しているものの、2029年までに累計で約1150億ドルを費やす可能性があると取り沙汰されている。足元では、社内の成長目標を下回っているとの報道もあり、投資家の見極めは一段と厳しくなっているとの見方がある。

パートナー企業側の資金調達負担も無視できない。Oracleは昨年9月、OpenAI関連プロジェクトの支援に向けて約180億ドル規模の社債を発行した。AIインフラ整備に必要な資金が、単独企業で賄うには重い水準に膨らんでいることを示す事例といえる。

市場調査会社は、2026年の世界のハイパースケーラーによる設備投資(CAPEX)が6000億〜7200億ドルに達すると見込む。このうち約75%がAIインフラ向けに集中するとの予測だ。ただ、金融業界ではAI需要への期待と、投資資金の回収ペースとの乖離を懸念する見方も出ている。

こうした傾向はNVIDIAの財務指標にも表れている。NVIDIAは最近、顧客向け売掛金の増加を明らかにした。売掛金は約330億ドル規模に膨らんだとも報じられている。一部の投資家は、AIインフラ関連の契約が実際のキャッシュフローに結び付くまでの時間差に疑問を投げかけている。

市場では、相次ぐ超大型AI案件そのものに対する懐疑論も広がりつつある。OpenAIとBroadcom、AMD、NVIDIAの間では数十億ドル規模の取引発表が続いているが、一部投資家の間では、実行段階よりも期待先行で受け止められているとの指摘もある。

OpenAIが取り得る選択肢は限られる。初期資金の調達スキームを組み直す、新たな投資家を確保する、あるいはチップ導入規模そのものを縮小するといった対応が想定される。いずれの場合も、2026年のAI設備投資見通しのうち、実際に執行される投資規模に影響を及ぼす可能性がある。

AI業界で積極的なインフラ投資が続くなか、今後は案件の規模そのものより、実際に資金を動かせるかどうかが市場の焦点になりそうだ。

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