写真=Cafe24

越境ECでは、商品への関心を実際の購買につなげるための「現地化」が重要性を増している。韓国ブランドへの海外需要が拡大する一方、言語、決済、配送の整備が不十分なままでは売上に結び付きにくい。Cafe24は、多言語ストアの構築、日本向け決済、物流支援などを通じ、中小事業者の海外販売を後押ししている。

実際、あるD2Cビューティーブランドの運営者は最近、SNSに投稿した商品紹介動画が海外ユーザーの間で拡散し、日本や東南アジアの消費者から購入に関する問い合わせが相次いだものの、海外向けストアや現地決済手段を整備しておらず、販売機会を逃したという。

K-ビューティーやK-ファッションを中心に、韓国ブランドに対する海外消費者の関心は高まっている。ただ、関心がそのまま購入につながるわけではない。商品を見つけても、利用言語、決済手段、配送環境が整っていなければ、購入転換は進みにくい。

韓国統計庁の「2025年オンライン海外直接販売・購入動向」によると、前年のオンライン海外直接販売額は3兆234億ウォンで、前年比16.4%増だった。韓流関連の商品群を中心に、海外向け直販市場が拡大していることを示している。

一方、韓国の国内EC市場は2024年時点で242兆ウォン規模に達したものの、成長率は5.8%にとどまった。国内オンライン市場の成熟が進む中、海外販売は中小EC事業者にとって新たな成長機会となりつつある。

もっとも、海外販売は創業初期の事業者や中小事業者にとって依然として参入障壁が高い。海外からアクセスできるストアを用意するだけでは不十分で、消費者が理解できる言語、使い慣れた決済手段、信頼できる配送体制を併せて整える必要がある。

多言語対応、決済、物流といった要素の中でも、特に重要なのが現地化だ。国内向けストアをそのまま海外に見せるだけでは、購入転換は期待しにくい。商品情報や利用規約、配送・交換・返金ポリシーを現地の消費者が理解しやすい形で提示して初めて、ストアへの信頼につながる。

Cafe24は、国内向けストアを基盤に、英語や日本語などに対応した多言語ストアを追加できる仕組みを提供している。国内ストアに商品を登録すれば、別途登録し直さなくても多言語ストアに情報を連携できるため、事業者は単一の商品データベースを基に各国向けの販売環境を整えやすい。

決済の現地化も購入転換率を左右する要因だ。海外消費者は、見慣れない決済システムやウォン建て決済よりも、自国で日常的に使う決済手段を好む。決済時に不便を感じれば、カート投入後の離脱につながりやすい。

その典型例が日本市場だ。日本ではクレジットカードに加え、コンビニ決済や各種デジタル決済の利用比率が高く、現地の決済環境をどこまで反映できるかが購入転換に直結する。

このためCafe24は、グローバル決済代行会社との連携を通じ、日本向けの現地決済手段を提供している。Visa、Mastercard、JCBに加え、Seven-Eleven、Lawson、FamilyMartなどのコンビニ決済、LINE Pay、Rakuten Pay、Amazon Payなどの決済サービスに対応する。

欧州や北米向けの機能も強化している。Cafe24はGlobal-eと連携し、海外販売代行、現地通貨での決済、関税・税金計算、海外精算といった複雑な業務をプラットフォーム内で処理できるようにしている。

配送も越境ECの成否を左右する重要な要素だ。海外消費者にとって配送は単なる物流工程ではなく、ストアの信頼性を判断する材料でもある。配送日数が不透明だったり、送料が過大だったりすると、決済直前の離脱を招きやすい。

Cafe24は国際物流パートナーとの連携により、国際特送サービスの利用時に最大70%水準のコスト削減を支援するほか、EMSの割引料金も適用する。国内ECでフルフィルメントが運営基盤の一つとなったように、海外販売でも安定した物流網は購入転換や再購入を左右するインフラになる。

海外展開でより大きな負担になりやすいのは、技術面よりも運営面だ。多言語コンテンツの制作、国別の決済設定、配送ポリシーの策定、関税・税金対応、時差を踏まえた顧客対応まで、それぞれに専門性と経験が求められる。このため、海外販売の可能性を見込んでも、実行段階で足踏みする事業者は少なくない。

そうした事業者向けの選択肢として、Cafe24は「Cafe24 PROグローバル」を展開している。英語、日本語のストアを中心に、海外ストア構築、商品翻訳、商品掲載の自動化、決済連携、国際配送まで、越境ECに必要な工程を一括で支援するサービスだ。

事業者は、専任のグローバル運営組織を新たに設けなくても、海外販売の環境を整えられる。単なる画面翻訳にとどまらず、国ごとの消費者特性や購買パターンを踏まえたコンテンツの現地化にも対応し、商品詳細ページから決済まで、現地消費者が使いやすい体験の提供を目指す。

物流運用の負担軽減にも取り組む。海外注文や配送は物流パートナーのFastboxと連携し、輸出申告、海外輸送、通関、現地配送までを処理する仕組みを整えた。事業者は国内での商品準備と発送に集中し、その後の複雑な国際物流手続きをシステム上で進められる。

さらに、海外マーケットプレイスや広告チャネルとの連携機能も提供する。複数の海外マーケットプレイスに商品を掲載し、成果データを確認しながら運営戦略を調整できるようにすることで、海外販売を単なる販路拡大にとどめず、データに基づく運営へとつなげる。

EC事業は、ストア開設、商品企画、マーケティング、物流、技術活用を経て、次の成長段階として海外販売へと広がりつつある。必要な機能やインフラをすべて自前で構築するのではなく、事業フェーズに応じてプラットフォームやソリューションを活用し、実行力を高めることが重要になっている。

海外販売でも事情は同じだ。言語、決済、配送、運営体制をすべて自社で整えるには、時間もコストもかかる。プラットフォームを活用すれば、中小のオンライン事業者でも負担を抑えながら海外消費者との接点を広げやすい。

事業者が本来注力すべきなのは、複雑なグローバルインフラの構築そのものではなく、世界の消費者に通用する商品とブランドを育てることだ。国内で可能性を確認したブランドが、プラットフォームを活用して海外消費者と直接つながる流れは、今後の越境EC市場における成長モデルの一つになりそうだ。

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