Shiba Inuについて、2021年のような急騰を再現するのは難しいとの見方が強まっている。取引所への純流入の増加に加え、約589兆枚に上る膨大な流通量が上値を抑えており、年末に向けた価格予想も総じて控えめだ。
The Crypto Basicが4月29日(現地時間)に伝えたところによると、Shiba Inuは2026年に入ってから軟調な値動きが続いている。足元では、2021年のミームコイン相場のような急伸局面を再び期待するのは難しいとの見方が出ている。
Shiba Inuの足元の価格は0.000006214ドル前後。年初来では約10%下落し、過去1年では下落率が54%に達した。短期間で大幅上昇した過去の局面と比べると、市場環境は大きく変化したとみられている。
オンチェーン指標も弱材料とされる。CryptoQuantの集計では、直近24時間のShiba Inuの取引所への純流入は1431億9000万枚で、増加率は2.27%。取引所保有残高は約81兆5300億枚だった。一般に、取引所への流入増は売り圧力の強まりを示すシグナルと受け止められる。
売買高にも勢いは乏しい。24時間の出来高は約8200万ドルで、前日比4.2%減少した。市場では、Shiba Inuはもはや小型の投機トークンではなく、時価総額が数十億ドル規模の大型暗号資産として認識されている。少額の資金流入だけで天文学的なリターンを生みやすい銘柄ではなくなった、という見方だ。
価格目標を当てはめると、必要な資金規模の大きさが際立つ。Shiba Inuが0.0001ドルに達するには、現値から約1509%の上昇が必要となる。0.01ドルまで上昇するには約160826%の上昇が求められる計算だ。この場合、時価総額はそれぞれ約589億2000万ドル、約5兆8900億ドル規模に膨らむ。
年末時点の見通しも強気一辺倒ではない。Changellyは2026年12月のShiba Inu価格について、ベースケースで0.00000756ドル、強気シナリオで0.00000869ドルと予想した。Telegaonは年内レンジを0.00000631〜0.0000143ドルと見込む。ChatGPTは弱気シナリオで0.000004〜0.000005ドル、非常に投機的な強気シナリオで0.00005ドルを提示した。Whale Scanは2026年12月時点で0.00003〜0.00005ドルの範囲を予想している。
少額投資で「ミリオネア」になれるかという観点でも、ハードルは高い。1000ドルを100万ドルに増やすには1000倍のリターンが必要で、Shiba Inuの価格は0.006214ドルまで上昇しなければならない。この水準では、時価総額は約3兆6600億ドルに達する計算になる。1万ドルを投じた投資家でも100倍、5万ドルの場合でも20倍の上昇が必要だ。
背景には構造的な制約がある。Shiba Inuの流通量は約589兆2400億枚に達しており、意味のある価格上昇を実現するには、これまで以上に大規模な資金流入が欠かせない。加えて、バーンのペースも鈍化している。コミュニティは日次でトークンを焼却しているものの、現在の焼却量では膨大な流通量を吸収するには力不足との見方だ。
エコシステム面の課題も残る。メタバース関連プロジェクトやNFTマーケットプレイスなど、一部計画はなお完了していない。開発チームの匿名性も、一部の機関投資家が参入をためらう要因として指摘された。こうした中、投資マネーはAIやRWA、ブロックチェーンインフラといった新たなテーマへ移りつつあり、ミームコイン人気も以前ほどの勢いを欠いているという。
その結果、市場におけるShiba Inuの位置付けも変わりつつある。少額投資で人生を変えるようなリターンを狙う資産というより、短期的な値動きや限定的なサイクル上昇を狙う投機的な銘柄としてみられている。足元の構造を踏まえると、Shiba Inuが新たな富裕層を生むかどうかは、トークン自体の上昇余地よりも、投資家がどれだけ大きな資金を投入できるかに左右されるとの見方が強い。