EV充電インフラ市場の拡大を受け、スタートアップ各社が運用効率の改善や機器の高耐久化、安全性の向上に向けた取り組みを進めている。設置スペースの不足や屋外環境への対応、エネルギー貯蔵装置(ESS)の安全性といった課題に対し、製品投入や実証を通じて解決策を示す動きが目立ってきた。
業界によると、2025年時点のEV登録台数は100万台を超えた。一方で、充電器の設置スペースはなお不足しているという。
こうした課題に対し、EVPartnersが提案するのが「3チャネルEV充電器」だ。三相4線式を採用し、1つの引き込み電源で最大3台を同時に充電できる。配線や遮断器、引き込み工事まで含めた統合設計に対応し、施工費の削減につながるとしている。
同社によると、単相1チャネル充電器を3台それぞれ設置する場合の費用は510万ウォンだが、3チャネル充電器1台に置き換えることで約400万ウォンまで抑えられるという。
EVPartnersのソン・ギョンソプ代表は「充電器1台ごとの価格ではなく、現場全体の構築コストを見るべきだ」としたうえで、「大規模な設置現場ほど、3チャネル構造の経済効果は大きい」と述べた。同社は2029年までに、全国の主要産業団地や集合住宅を中心に5000基超の設置を目指す。
Biodisplayは、EV利用者が充電器の故障を大きな不便として挙げている点を踏まえ、機器の耐久性強化に力を入れる。EV充電器の多くが屋外に設置されるため、一般的な産業用ディスプレイでは酷暑や厳寒、梅雨といった過酷な環境下で不具合が生じやすいとみているためだ。
Biodisplayのチョ・ホヨン代表は「今後も現場での信頼性を最優先に据え、研究開発に集中する」とし、「成長が続くグローバルEV充電市場で自社技術の優位性を示し、公共環境に最適化した専用モデルのラインアップを継続的に拡充していく」と述べた。
同社は今後、充電器メーカー向け供給にとどまらず、公的機関や自治体の充電インフラ事業にも参画し、市場シェアの拡大を図る方針だ。
充電器の普及が進むにつれ、電力ピークへの対応や安全性の確保も新たな課題として浮上している。とりわけ都心の地下駐車場に超急速充電器を設置するには大容量ESSが必要になるが、既存のリチウムイオン電池ベースのESSには火災リスクへの懸念がある。
Standard Energyは、この代替策として自社開発のバナジウムイオン電池(VIB)を提示した。同社によると、VIBはバナジウムと水で構成され、発火の恐れがないという。高導電性素材と高純度精製技術を適用し、高出力に対応するほか、低温環境でも効率を維持できる点を特徴としている。
また、充放電を繰り返しても安定性を維持しやすいとしている。Standard Energyは「規制サンドボックスを活用し、ソウル・アプクジョンドン一帯でESS連携型の超急速充電サービスを約1年9カ月にわたり運営した結果、火災や安全事故を起こすことなく実証を終えた」と明らかにした。