エリック・トランプ氏は4月29日、機関投資家の参入拡大や企業財務への組み入れ、銀行による融資・カストディーサービス参入を背景に、ビットコインはすでに本格局面に入っているとの見方を示した。
ブロックチェーンメディアのCoinDeskによると、同氏は米ラスベガスで開かれたイベント「Bitcoin 2026」に登壇し、ビットコインを取り巻く市場構造が大きく変わりつつあると述べた。
ビットコイン採掘企業American Bitcoin(ABTC)の共同創業者で最高戦略責任者(CSO)を務める同氏は、「ビットコインの最盛期はこれから来るのではなく、すでに始まっている」と強調した。過去6カ月の変化についても、「それ以前の3年と比べても構造転換に近い」と語った。
同氏が根拠として挙げたのが、ウォール街の姿勢の変化だ。主要銀行がビットコインを担保とする融資やカストディーサービスの提供に乗り出している点に触れ、既存の金融業界はもはやビットコインを周辺的な資産とはみなしていないと主張した。金融サービスの制度圏への取り込みが進み、個人投資家と機関投資家の双方でアクセスのあり方が変わっているという。
需給面の変化にも言及した。同氏は「人々はもはやビットコインを売らず、保有を続けている。市場に出回りにくい資産になりつつある」と述べた。供給が限られる中で、機関投資家に加え、国家レベルの需要も増えており、需給は構造的に引き締まっているとの認識を示した。
会場での対談に参加したBloombergのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏も、こうした変化をETF市場の観点から説明した。同氏は、ビットコイン現物ETFについて、ETF市場でも有数の成功例の一つになったと評価。これまで機関投資家中心だったアクセスを個人投資家にも広げ、参入障壁を下げたと指摘した。
エリック・トランプ氏は、短期的な価格変動よりも長期的な潮流を重視する姿勢も示した。「私はボラティリティに耐えるつもりだ。10年単位で見れば、誰が勝つか分かるだろう」と述べた。
今回の発言は、単なる強気見通しというより、ビットコインの制度金融への組み入れがどこまで進んだかを示す内容といえる。銀行サービスの拡大、企業財務戦略への採用、現物ETFを通じた投資手段の広がりが同時に進む中、ビットコインを巡る需要基盤の変化が改めて浮き彫りになった。