Naver本社(写真=Naver)

Naverは4月30日、2026年1〜3月期(第1四半期)決算を発表し、検索から購買・予約までを一気通貫でつなぐ事業構造への転換を今年の重点課題に掲げた。AIを軸に検索体験を高度化し、取引への送客と収益化を同時に進める。

第1四半期の連結売上高は3兆2411億ウォン、営業利益は5418億ウォンだった。前年同期比ではそれぞれ16.3%増、7.2%増。営業利益率は16.7%だった。AIインフラ投資の拡大に加え、冬季五輪と「League of Legends Champions Korea」の中継権確保に伴う費用増が利益の伸びを抑えた。

事業別売上高は、Naverプラットフォームが1兆8398億ウォン(前年同期比14.7%増)、ファイナンシャルプラットフォームが4597億ウォン(同18.9%増)、グローバル事業が9416億ウォン(同18.4%増)だった。

◆AIブリーフィングが拡大 AIタブは第4四半期に収益化へ

検索領域では、AIブリーフィング関連指標の伸びが続いた。3月時点のロングテールクエリは前年同期比で2.5倍超に拡大し、追加質問のクリック数も提供初期に比べて10倍超に増えた。

AIブリーフィング内の追加質問のCTRは、一般的な検索語推薦領域の2.5倍超だった。Naverは、ユーザーがAIブリーフィングを能動的に利用し、より深い情報探索につなげているとみている。

収益化の工程も具体化した。第2四半期にはショッピングとローカル領域を組み合わせた生成AI広告のテストを開始し、第3四半期から本格的な収益化に入る計画だ。

チェ・スヨンCEOは同日のカンファレンスコールで、「まずは情報系クエリから段階的に導入し、既存の検索広告との競合を最小限に抑える。同時にトラフィック当たりの収益性も高める」と述べた。

同社によると、決済基盤との連携の有無で広告のコンバージョン率には最大で2倍近い差が出るという。購買や予約への転換まで把握できるAI検索の構造が、従来型の検索広告に比べて広告単価の適正化につながるとみている。

4月27日には、Naverプラスメンバー向けにAIタブの提供を始めた。検索・購買履歴に基づくパーソナライズ回答を提示し、サービス内での購買や予約につなげる対話型AI検索を提供する。今後は一般ユーザーにも順次開放し、ビューティー、旅行、健康、不動産などへ対象領域を広げる。収益化は第4四半期の導入を見込む。

広告売上高は1兆3945億ウォンで、前年同期比9.3%増だった。AIの寄与度は50%超を維持した。第2四半期にはCriteo、Googleとの連携を順次進め、外部メディアへの展開も拡大する。

◆Smartstore取引額は14%増 下期に会員向け無料配送を拡充

サービス売上高は4453億ウォンで、前年同期比35.6%増だった。Smartstoreの取引額は14%増と、通期の2桁成長目標に向けて順調な滑り出しとなった。

成長をけん引したのは、提供開始から1年を迎えたNaverプラスストアアプリだ。滞在時間と訪問頻度の上昇が購買転換率の改善につながり、アプリ経由の購入転換率はWebに比べて84%高かった。第1四半期のアプリ取引額は前四半期比28%増となった。

アプリ購入者に占めるメンバー比率は80%超を維持しており、同社はロイヤル顧客を基盤とした好循環が形成されていると説明した。

2月末に正式提供したショッピングAIエージェントは、現時点では商品案内を中心とする段階にある。5月からはメンバーシップ特典や配送管理機能などを組み合わせ、取引転換と収益性の向上を担うビジネスエージェントへと進化させる。

配送競争力の強化は、今年のコマース戦略で最優先課題に位置付けた。N配送を導入した販売者の取引額増加率は未導入の販売者を4ポイント上回り、メンバーシップの配送特典強化後には、会員の注文頻度が25%超増えたという。

同社は今年、カバレッジを25%まで高めることを目標に掲げる。下期には、メンバーシップと連携した無制限の無料配送も導入する予定だ。

チェCEOは、物流への直接投資モデルも検討しているとしたうえで、「アプリ、AI、配送、メンバーシップを一つの成長エンジンとして有機的に結び付け、Naverコマースの競争力を一段と強化する」と語った。

オフラインへの展開も同じ戦略の延長線上にある。生成AIの普及で汎用データの差別化余地が薄れる一方、収集や複製が難しい独自データの価値は急速に高まっているとの認識を示した。

NaverはNpay Connectを通じてオンラインとオフラインのデータ統合を進めており、これはデータ面での参入障壁を高める布石だと位置付ける。プレイス提携の拡大や外部POSデータとの連携を、AI推薦やCRM高度化に活用する方針だ。

チェCEOは「オンラインで築いたNaverの競争力をオフラインまで広げる構造は、容易に追随されない差別化されたエコシステムとして定着していく」と述べた。

◆C2C売上高は57.7%増 ソブリンAIはインド・欧州へ拡大

同社は、AIとコマースが自律成長を支える柱である一方、C2CとソブリンAIが全社の成長を下支えする第2の軸になると説明した。グローバル事業の売上高は9416億ウォンで、前年同期比18.4%増。このうちC2C売上高は57.7%増と大きく伸び、全体の成長をけん引した。

Poshmarkは取引額、売上高ともに前年同期比で約30%の成長率を確保した。Sodaは日本のトレーディングカード需要の好調とオフラインストアの堅調さを背景に、取引額が2倍超に拡大した。

当四半期に新たに連結対象となったWallapopは、月間アクティブユーザー数が2300万人で、スペインのC2C市場で首位を維持している。コンテンツ売上高は4401億ウォンで、前年同期比1.4%減だった。

エンタープライズ売上高は1505億ウォンで、前年同期比18.8%増。LINE WORKSは3月、行政安全部、科学技術情報通信部、食品医薬品安全処の公式協業プラットフォームに選定された。

ソブリンAI事業では、サウジアラビアでデジタルツイン・プラットフォームのサービス拡大が続くなか、インド最大のITサービスグループであるTata Consultancy Services(TCS)と戦略的MOUを締結した。欧州でも複数国と協議を進めている。

◆インフラ費用は32.5%増 純利益は31.3%減

費用面では、AIインフラへの先行投資が収益性を圧迫した。GPUなど新たなコンピューティング資産の取得拡大により、インフラ費用は前年同期比32.5%増加した。第1四半期には、中継権関連費用として約180億ウォンを計上した。

キム・ヒチョル最高財務責任者(CFO)は、「GPUの戦略的な配分と全社効率化プラットフォームの導入により、想定に比べてGPUの実使用量を約30%削減するなど、すでに効果を確認している」と説明した。そのうえで、「AI収益化の進捗と市場環境を踏まえ、投資規模を慎重に見極める」と述べた。

当期純利益は、為替差損と関連会社投資損失の増加が響き、前年同期比31.3%減の2910億ウォンだった。フリーキャッシュフロー(FCF)は、設備投資(CAPEX)の増加で前年同期比1521億ウォン減の3198億ウォンとなった。

決算配当は4月14日に3936億ウォンを支払った。第1四半期の費用増は、AIインフラとコンテンツ確保に向けた先行投資の色彩が濃い。下期は、AI広告の収益化を軸に、投資回収の道筋がどこまで明確になるかが焦点となる。

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