取引所に見える在庫と実際に売りに出る供給は異なると指摘するサムソン・モウ氏。写真=Shutterstock

ビットコイン強気派として知られるJan3の最高経営責任者(CEO)、サムソン・モウ氏は、機関投資家や企業による継続的な買いで市場に流通するビットコインが細り、供給逼迫が一段と進めば、価格は100万ドル(約1億5000万円)に近づく可能性があるとの見方を示した。12万ドル(約1800万円)未満の水準についても、依然として割安だと主張している。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、モウ氏は28日(現地時間)、足元のビットコイン相場について、これまでの4年サイクルとは異なる値動きが出ていると指摘した。半減期前に過去最高値を更新したうえ、その後も高値圏を維持しながら、過去の局面ほど過熱感は強くないとの見立てだ。

こうした動きを巡っては、相場サイクルの終盤と受け止める向きもあるが、モウ氏はむしろ供給不足が表面化し始めた初期段階の可能性があるとみる。「市場は依然として流動的だ」としたうえで、マイケル・セイラー氏のStrategyや、ビットコインを財務資産として保有する企業の買いが需給に大きな影響を与えていると述べた。あわせて、「オメガ・キャンドル」と呼ぶ急騰局面や、100万ドル到達は想定より近い可能性があると語った。

モウ氏が根拠として挙げるのは、ビットコインの供給制約だ。総発行枚数は2100万枚に限られており、今後新たに採掘される残りの数量も100万枚未満とされる。こうしたなか、価格水準にかかわらず大口の買い手が継続的に市場から吸収しているため、実際に売買可能な供給量は市場の想定より少ないという。

同氏は、取引所にある在庫がそのまま売却可能な供給を意味するわけではないと指摘した。「多くの投資家は取引所に200万〜300万枚のビットコインがあるとみているが、その相当部分はマーケットメーカーやヘッジファンドが保有・運用している分だ」と説明。見かけ上の在庫と、実際に市場で売りに出る数量には差があるとの認識を示した。

価格水準についても、なお割安との立場を崩していない。モウ氏は、インフレ調整やストック・トゥ・フロー・モデルなどを踏まえれば、「12万ドルはもちろん、11万ドル(約1650万円)を下回る水準も公正価値より低い」と主張した。直近数年のドル・インフレだけを織り込んでも、適正価格は少なくとも11万ドル台に達するとの見方だ。

ビットコイン100万ドル説は、モウ氏に限った見方ではない。Bitwiseの最高投資責任者(CIO)、マット・ホーガン氏は、ビットコインが長期的に世界の価値保存市場の約17%を占めれば、100万ドルに到達し得ると予測したことがある。ARK InvestのCEO、キャシー・ウッド氏も、2030年の目標価格として120万ドル(約1億8000万円)を掲げている。

もっとも、足元の相場と100万ドルとの開きはなお大きい。ビットコインは2025年10月に付けた過去最高値12万6000ドル(約1890万円)を約40%下回る水準で推移しており、現値から100万ドルに達するには10倍超の上昇が必要となる。

市場では今後、機関投資家や企業の買いが実際に流通量の減少につながるか、また供給逼迫の見方がどこまで価格に織り込まれるかが焦点となる。強気派は継続的な蓄積が中長期の上昇要因になるとみる一方、短期的にはマクロ経済やリスク資産全体の地合いが相場を左右するとの見方も出ている。

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